2.2 日本円の資産しか持たない
円安は日本円の価値が下がることを意味します。
預貯金、国内株式など日本円の資産しか持たないことで、資産額が外国通貨に対して目減りしてしまいます。
とくに近年は低金利が続いており、円預金のみでは資産の増加が見込めません。
円安時には外国通貨や外国株式、外国投資信託など、日本円以外の資産も保有することが大切です。
さまざまな資産に分散して投資することで、円高になった場合でも、安定した資産形成が可能です。
今後、円高になって海外資産が減るのが嫌な人は、為替ヘッジありの投資信託に投資するとよいでしょう。
為替ヘッジとは、外貨建資産に投資する際に、円高による損失を避けられる仕組みです。
ただし為替ヘッジにはコストがかかるため、為替ヘッジなしの投資信託と比べて、リターンが少なくなる可能性がある点に注意してください。
2.3 日本円の評価額しか見ない
海外資産を保有している場合、日本円の評価額しか見ないことは避けましょう。
円安とは海外通貨と比べて相対的に日本円の価値が下がる現象を指します。
たとえば、1ドル100円だったのが1ドル150円になる状態です。
したがって、海外資産の評価額が同じでも、日本円での評価額は上がります。
日本円の評価額だけ見ていると、海外資産の運用がマイナスになっていても気づかない可能性があります。
日本円の評価額だけでなく、海外通貨での評価額もチェックするようにしましょう。
ただし、短期的な運用成績がマイナスになっても心配しすぎることはありません。
積立投資をすることによって、価格変動リスクを抑えられます。
3. 円安でも積立投資を継続することが大切
積立投資は、毎月決まったタイミングで一定額を投資することで、安定したリターンを目指す投資方法です。
円安・円高に関わらず、積立投資額を変えずに継続しましょう。
円安による物価上昇や日本円の価値下落への対策として、国内資産だけでなく海外資産も保有すると、安定的な運用が見込めます。
なお、海外資産の運用成績を確認するときは、海外通貨での評価額で判断するようにしてください。
長期的な視点を持ち、将来に向けて継続的に積立投資を行いましょう。
参考資料
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」
- 農林水産省「令和4年度の食料自給率」
- 資源エネルギー庁「令和5年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024)」
- 金融庁「基礎から学べる金融ガイド」
森 悠里花