破壊的イノベーションとは?イノベーションの意味、使い方、分類について解説

「イノベーション」という言葉をよく耳にするようになったと感じる人も多いのではないでしょうか。意味や定義、使い方などについて、漠然としか理解していないという人もいるかもしれません。しかしビジネスパーソンとしての活躍を目指す人にとっては、理解しておきたい言葉の一つです。

イノベーションとは、簡単にいえば、今までの商品やサービスを革新的に向上させるという意味です。中でも、今までの業界全体を根底から覆すほどの画期的な「破壊的イノベーション」は、企業が生き残るための選択肢としても注目されています。

目次

1. ぜひとも理解しておきたい!イノベーションの意味や定義、使い方
2. イノベーションの特徴とそこから生まれる価値とは
3. 製品で差別化を図るプロダクトイノベーション
4. 日本企業が得意とするプロセスイノベーション
5. 業界の常識を変える「破壊的イノベーション」とは!
6. 破壊的イノベーションの対極にある「持続的イノベーション」とは
7. イノベーションが必要な理由とは
8. おわりに

ぜひとも理解しておきたい!イノベーションの意味や定義、使い方

イノベーションとは、「革新」という意味の言葉です。英語表記では「innovation」となり、「innovate」の名詞形です。

イノベーションは、今からおよそ100年前の経済学者ヨーゼフ・シュンペーターによって、「経済活動の中で、新しいものを生産したり、既存のものを新しい手段・方法で生産すること」と定義されています。

日本では、2006年に閣議決定された第3期科学技術基本計画において、イノベーションを「科学的発見や技術的発明を洞察力と融合し発展させ、新たな社会的価値や経済的価値を生み出す革新」と定義しています。※1

また、日本では「技術革新」という意味合いで、従前の常識を覆すほどの画期的な技術の革新などを表現する言葉として多く用いられています。

イノベーションがもたらされることで、人々の生活自体がより豊かなものになり、インターネットやスマートフォンなど身近なところにも、イノベーションによってもたらされたものが多数あります。

※1 出典:最近の政府文書等における「イノベーション」の位置づけについて

イノベーションの特徴とそこから生まれる価値とは

イノベーションの特徴とは、「新しいモノ・コトが生まれる」ことです。2つの例を挙げて説明します。

1)新たな製品やアイデアを生み出す

「新たな製品やアイデアが生まれる」例として、携帯型音楽プレーヤーのiPodが挙げられます。新たな製品が生まれるケースでは、既製品よりもよりコンパクトになったり、高性能になったり、従前の製品やサービスよりも便利になったりします。

2)新たな顧客層の獲得

「新たな顧客層の獲得」の例として、グラフィックや機能面を訴求するのではなくファミリー層をターゲットに訴求して成功した任天堂のゲーム機wiiが挙げられます。ほかにも取り扱い方法が複雑で製品を使いこなすことができなかった子供や女性、シニアなどが、イノベーションによって生まれた機能や付加価値によって、使えるようになった商品もあります。

イノベーションが生み出す価値とは、消費者にとっては生活や暮らしがより豊かになったと感じることです。モノやサービスを提供する事業者にとっては、ビジネスチャンスが広がること、といえるでしょう。

製品で差別化を図るプロダクトイノベーション

イノベーションは大きくプロダクトイノベーションとプロセスイノベーションの2種類に分類できます。

プロダクトイノベーションとは、製造する商品やサービスによって差別化を図ることを指します。プロダクトイノベーションでも、「全くのゼロから作り上げる」イノベーションと「既存の技術を組み合わせて作る」という2つの種類があります。ホーロー加工の技術を生かして無水調理鍋を作り大成功したバーミキュラは後者の例でしょう。

プロダクトイノベーションはもう少し細かく識別することも可能です。優れた技術力によって生み出された「技術主導型」やニーズから生まれることになった「ニーズ主導型」、「類似品型」などに分けることができます。いずれも背景にあるのは、優れた技術力や創造力、柔軟な発想力です。固定概念や凝り固まった考え方が大勢を占めることになれば、プロダクトイノベーションを実現させることは難しくなります。

プロダクトイノベーションについては、国家ごとに異なる文化や歴史、風土などにも影響されるといえます。例えば、「技術主導型」に長けているとされるのが、アメリカです。とりわけシリコンバレーで活動するベンチャー企業などの多くが、次々とヒット製品を世に送り出しているのは有名です。

一方、日本が得意とするのが「ニーズ主導型」であり、例えば、今ではすっかり定着したペットボトルが例に挙げられます。

日本企業が得意とするプロセスイノベーション

一方、プロセスイノベーションとは、製品を作り出すための工程を見直したり、生産性を向上させることにより、コスト削減を達成するものです。このプロセスイノベーションは、日本企業の得意分野ともいわれており、時間当たりの生産量増などの効果が期待できます。

世界を代表する自動車メーカーとしても知られるトヨタ自動車が導入した「かんばん方式」が代表例です。在庫をできる限りに持たなくて済むという生産管理方式として世界中から注目を集めました。

プロセスイノベーションによって、劇的にモノづくりの現場が変化しました。古くは20世紀前半まで遡りますが、「生産ライン」の導入により効率化がもたらされました。プロセスイノベーションによって生産の効率化が実現されることになった製品の種類は実に多岐にわたります。

自動車関連製品はもとより、食品関連やパソコンなどの情報関連機器、電化製品など数をあげればきりがありません。いうまでもなく、イノベーションによって人々の生活を豊かなものに導いたのです。

業界の常識を変える「破壊的イノベーション」とは!

「破壊的イノベーション」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

これは、従前のモノやサービスを超えるほどの画期的なイノベーションのことをいいます。イノベーションによってもたらされることになったモノやサービスが、これまでの業界全体の常識を覆すほどの存在となり、業界の組織図を一変させるような状況についてを、アメリカのクレイトン・クリステンセン教授がこのように提唱しました。

破壊的イノベーションについては、既存市場のローエンド層を獲得した上で、後にミドル層やハイエンド層にも進出していく「ローエンド型」と、全くの新しいマーケットに進出する「新市場型」があります。

破壊的イノベーションの対極にある「持続的イノベーション」とは

「破壊的イノベーション」の対概念ともいえる考え方が「持続的イノベーション」です。
これは、既存の市場から求められている価値を向上するイノベーションのことです。持続的イノベーションを発揮することで、長期間業界をリードしている企業も多くあります。持続的イノベーションに優れた企業の特徴は、大きなスケールメリットを持ち合わせている点です。潤沢な資金力や技術力がなければ、「持続させる」ことは困難でしょう。

しかし、破壊的イノベーションによって生まれた製品は、持続的イノベーションによって生まれた製品と比較して機能性は劣っていても、コンパクト化や低価格など別の価値により高評価を得ることが多く、シェアを大きく拡大していく可能性があります。「破壊的イノベーション」により新たなモノやサービスが生まれた場合には、持続的イノベーションに優れた企業が多くの顧客を奪われることも、場合によってはあり得るかもしれません。

イノベーションが必要な理由とは

ここまでイノベーションへの関心が高まっているのは、その必要性が認められているからといえるでしょう。必要な理由の中でも最も大きいとされるのが、イノベーションによってもたらされる利益の大きさです。

万一、イノベーションをしない場合と比較した場合、その結果は歴然です。旧態依然とした企業経営を続けてしまうことで、それまでの顧客層を奪われ、たちまち経営危機に追い込まれてしまうということにもなりかねません。

イノベーションによって生まれた商品やサービスによって、新たな価値や顧客層を取り込むことも可能です。「使い勝手が良くなった」や「誰にでも容易に使いこなせる」などが実現すれば、大きな利益を生み出すことも期待できます。イノベーションを起こすことができれば、中小企業であっても、大企業に打ち勝つことは可能です。業界全体の勢力図を塗り替えることも夢ではありません。

生産性向上や新たなニーズへの対応などに向けてもイノベーションへの期待が寄せられます。少子高齢化に伴う人材不足もさることながら、自動運転やロボット社会の実現に向けてのインフラ整備なども必要です。

山積する課題を解消するためにも、新たなイノベーションは不可欠といえます。経済大国として世界をリードする立場にある日本の産業界を更に発展させていくためにも、イノベーションへの意識を持つことが大切ではないでしょうか。

おわりに

イノベーションが生まれる背景には、ビジネスにおいて技術的革新が求められていることはもちろんですが、クラウドサービスやAIなど、今まで想像もできなかったような新たな技術が登場したことも影響しているでしょう。

企業が成長し勝ち残るためにはイノベーションは重要な要素です。企業の将来性を見抜く上でも、その企業がイノベーションを生み出しているかどうかは参考になります。

また自社の技術を今までとは異なる分野に活用して成功したバーミキュラのように、イノベーションを生み出すことで中小企業でも一発逆転の機会がある点も見逃せないポイントです。

LIMO編集部

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。

あわせて読みたい

LIMO編集部

LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に構成されています。国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。