3. 老後に2000万円を準備する方法

60歳〜90歳以上の厚生年金と国民年金の受給額を見てきましたが、年金制度だけでは毎月の生活費や遊興費が足りないと感じる方もいるのではないでしょうか。

今月からでもすぐに実践できる老後に2000万円の資金を準備できる方法を紹介するので、最後までチェックしてみてください。

3.1 毎月の収支を綿密に把握する

老後になってお金に困らないためにも、現役時代から毎月の収支を細かく把握して家計簿を付けることが重要です。

家計簿を付けると日頃何にいくらお金を使っているのかを「見える化」できるようになり、必要な出費と不要な出費を分けられます。

例えば、毎月一定でお金がかかる通信費・保険料・住居費・水道光熱費などの項目をできる限り削減できれば、お金を貯められる土台ができます。

固定費と併せて食費・日用品費・娯楽費・税金などを把握するといいでしょう。

少しずつでも毎月の収支における「見える化」を進めると、お金に困る老後から抜け出す第一歩になるでしょう。

3.2 毎月一定金額を貯金する

毎月給料が入金されたら、あらかじめ決めておいた一定金額を別の口座に移し替えて、貯金する手段もあります。

入金された金額をどうしても使いたくなる衝動に駆られる場合は、金融機関が提供する「定額自動入金サービス」などを利用して、強制的に貯金しましょう。

ご家庭により状況は異なりますが、貯金をする目安として、毎月の手取り収入の2割を別の口座に移し替えるのがいいでしょう。毎月手取り収入の2割を貯金できる体制を整えておけば、黒字家計を作れます。

貯金をする仕組みを作ると自動的に貯まる仕組みが完成するため、無理せずに資産を形成できるでしょう。

3.3 NISAやiDeCoの税制優遇制度を活用する

毎月の貯金に加えて資産運用でお金をさらに増やしたいと考えている場合は、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用を検討するといいでしょう。

運用にはリスクがありますが、一方で効率的に老後資金を貯めることも可能です。

NISAやiDeCoを活用すると、利益が出たとしても税金がかからず、運用益を手元に残せます。

2024年1月から運用が開始された新NISA制度ではつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円と合わせて年間で360万円が投資できる制度です。

お金が必要になった際に、いつでも売却できる利便性に優れた制度でもあります。

iDeCoは「個人型確定拠出年金」とも呼ばれ、老後に備えられる私的年金制度です。NISAと同じく運用益に対して税金がかからず、多くの資金を手元に残せる可能性があります。

ただし、原則60歳までは途中引き出しができないため、長期運用を目的とした積み立てをしなければなりません。

4. 年金受給予定額をみて老後資金の検討を

本記事では、厚生年金と国民年金の平均月額を年齢別に紹介しました。

厚生年金は65歳以降ですと14万円〜16万円の範囲内が平均です。

国民年金で見ると65歳以降から90歳以上までずっと5万円台を推移する結果となりました。

年金は個人差が大きいので、ねんきん定期便やねんきんネットなども利用してまずはご自身の受給予定額を確認されるといいでしょう。

厚生年金や国民年金だけでは足りないと感じる方は、毎月の貯金・NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用して上手に老後資金を貯めましょう。

参考資料

佐々江 祐介