年金の支給日は2カ月に1度の偶数月に受け取ることができます。
現役世代の方々が、労働の対価として受け取る「お給料」の支給タイミングとは異なるため、戸惑うことがあるでしょう。
その他にも年金受給額は現役時代の年収や加入年数によって異なります。よって現役時代のお給料よりも少ないこともよくあるお話です。
誰もが高齢になれば受け取る年金の仕組みや受給額、受給タイミングをしっかりと把握をしないと家庭が回らなくなる可能性もあるでしょう。
また昨今の物価上昇も、老後資金への不安を駆り立てる一つの要因でしょう。「NISA」や「iDeCo」により今まで以上に老後資金を準備しやすくなってきましたが、間違った認識をしている方も一定数いらっしゃいます。
そこで本記事では、一般的な年金の仕組みや平均受給額などについて解説をしていきます。併せて、老後資金の準備についても元証券会社出身の筆者がわかりやすくお話をしていきます
1. 【2024年度の年金額】国民年金と厚生年金はいくらか
まずは2024年度の年金額例を見てみましょう。
1.1 令和6年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方は月額6万7808円(+1758 円)
- 厚生年金:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
2024年度は物価高により2.7%の増額となっており、国民年金で見ると月額で+1750円の増額で、満額は6万8000円。
厚生年金の標準夫婦では23万483円で、約6000円の増額でした。
では、この年金額が反映されるのはいつでしょうか。
2. 2024年の年金支給日と増額のタイミングをチェック!
年金は偶数月の15日に2カ月分まとめて受け取れますが、15日が土日祝日ならその直前の平日に支給されます。
2024年の年金支給日と増額の反映時期を確認しましょう。
2.1 2024年の年金支給日一覧
- 2月15日(12月・1月分)
- 4月15日(2月・3月分)
- 6月14日(4月・5月分)
- 8月15日(6月・7月分)
- 10月15日(8月・9月分)
- 12月13日(10月・11月分)
年金は前月までの2カ月分を受け取る仕組みです。2024年度の年金増額分は4月分から反映され、実際に受け取れるのは6月からになります。
3. 最新【年金一覧表】60歳~90歳以上の「厚生年金」平均月額は?
現代のシニアは平均でどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか?
厚生労働省が公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」に基づき、年齢別の平均年金月額を確認してみましょう。
以下のデータにはすべて国民年金部分も含まれています。
3.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円
3.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
3.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:厚生年金15万1109円
- 81歳:厚生年金15万3337円
- 82歳:厚生年金15万5885円
- 83歳:厚生年金15万7324円
- 84歳:厚生年金15万8939円
- 85歳:厚生年金15万9289円
- 86歳:厚生年金15万9900円
- 87歳:厚生年金16万732円
- 88歳:厚生年金16万535円
- 89歳:厚生年金15万9453円
3.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:厚生年金15万8753円
65歳以降の一般的な年金受給開始年齢を基準に見てみると、年齢が上がるにつれて平均月額も増加し、平均で月額14~16万円台となっています。
厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、個人差が大きいのが特徴です。
特に65歳未満の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、報酬比例部分のみを受給しているケースが多いです。
4. 最新【年金一覧表】60歳~90歳以上の「国民年金」平均月額は?
国民年金の平均月額についても確認してみましょう。厚生労働省が公表したデータ「令和4年度 国民年金事業の概況」に基づき、年齢別の平均年金月額を見てみましょう。
4.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:国民年金4万2616円
- 61歳:国民年金4万420円
- 62歳:国民年金4万2513円
- 63歳:国民年金4万3711円
- 64歳:国民年金4万4352
- 65歳:国民年金5万8070円
- 66歳:国民年金5万8012円
- 67歳:国民年金5万7924円
- 68歳:国民年金5万7722円
- 69歳:国民年金5万7515円
4.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:国民年金5万7320円
- 71歳:国民年金5万7294円
- 72歳:国民年金5万7092円
- 73歳:国民年金5万6945円
- 74歳:国民年金5万6852円
- 75歳:国民年金5万6659円
- 76歳:国民年金5万6453円
- 77歳:国民年金5万6017円
- 78歳:国民年金5万5981円
- 79歳:国民年金5万5652円
4.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:国民年金5万5413円
- 81歳:国民年金5万5283円
- 82歳:国民年金5万7003円
- 83歳:国民年金5万6779円
- 84歳:国民年金5万6605円
- 85歳:国民年金5万6609円
- 86歳:国民年金5万6179円
- 87歳:国民年金5万6030円
- 88歳:国民年金5万5763円
- 89歳:国民年金5万5312円
4.4 国民年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:国民年金5万1974円
国民年金の65歳以降の平均月額は約5万円台です。夫婦で国民年金を受給している場合、合計の年金月額は約11万円になります。
国民年金のみ、または厚生年金でも加入期間が短かったり収入が少なかったりする場合、老後資金の準備が重要です。早い段階で資金計画を立て、積立や投資などの対策を始めましょう。
なお、65歳未満で国民年金を受給している方は、繰上げ支給を選択した方々です。
5. 【最新】老齢年金の平均年金月額もチェック
では、全体の平均年金月額も確認しましょう。
5.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
男女別で見ると、年金受給額に約6万円の差があります。
この差は、女性の賃金が男性より低いことや、育児や介護といったライフイベントによる働き方の変化が主な理由と考えられます。
しかし、共働き世帯が増えている現代において、現役世代が年金を受給する際には、この格差が縮小する可能性も考えられます。
5.2 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金の平均月額は5万円台で、男女差は厚生年金と比べると大きくありませんでした。
6. NISAとiDeCoの違いと共通点とは?老後資金の準備法を解説
年金の仕組みや平均受給額、支給日について解説しましたが、実際の受給額を見て「これだけで大丈夫?」と思った方も多いのではないでしょうか。特に昨今の物価上昇を考慮すると、年金だけでは不安を感じることもあるでしょう。
そこで重要なのが、現役時代から老後資金を計画的に準備しておくことです。最近では「NISA」や「iDeCo」を活用した資産運用が注目されています。しかし、これらの制度の違いや共通点について理解していない方も多いのが現状です。
6.1 NISAとiDeCoの共通点と違い
まず、「NISA」も「iDeCo」も制度であり、投資信託や株式などの金融商品を購入するための枠組みです
。この枠組みを利用することで、投資で得た利益に対する税金を非課税にできます。しかし、以下の点に注意が必要です。
- 変更回数: NISAは毎月の投資額を自由に変更できますが、iDeCoは年1回のみ変更可能です。
- 目的: NISAは一般的な投資、iDeCoは老後資金(年金)目的の投資に特化しています。
6.2 まとめ
老後資金の準備は早めに始めることが大切です。公的年金だけに頼らず、NISAやiDeCoなどの制度を賢く利用して、安定した老後を迎えるための資産形成を始めましょう。
まずは情報収集から始め、ご自身に合った方法を見つけてください。
参考資料
長井 祐人