過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2021年7月1日) |
老後の生活に必要となるお金は、公的年金以外に2000万円、ないしはそれ以上必要であるとも言われていますね。
ただしライフスタイルには個人差がありますので、一概に「いくら必要」と言い切ることは、当然できません。そもそも、健康状態、そして老後が何年続くかも人によって違います。
「いきなり数千万円の単位で話をされても、イメージがわきにくい……」若いみなさんからは、そんな声も聞こえてきそうです。
ちなみに、金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」によると、「老後のひと月あたりの最低生活費」は、60代で28万円、70代以上で31万円です。「およそ月30万円」というのがシニア世代の実感といったところでしょうか。
また、厚生労働省が公表する「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は436万円。そのうち賞与が70万円となっているため、平均月収はおよそ30万円となります。
では、老後に厚生年金を、ひと月「30万円」受給できている人はどのくらいいるのでしょうか。
今回はいまのシニア世代が受け取る厚生年金の年金月額を確認しながら、「老後のお金」について考えていきます。
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厚生年金「いまどきシニアの受給額」
さっそく厚生年金の受給額の月額を、男女別に確認していきましょう。
2020年12月に厚生労働省年金局が公表した「令和元年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は14万4268円(男性16万4770円・女性10万3159円)です。
平均額でみると男女で約6万円ほどの差があります。ただし、この平均月額からは、「何人くらいの人」が「月に何万円くらい」の年金を受け取っているかはわかりません。
そこで引き続き同資料より、現在の厚生年金受給権者の「年金月額」分布を見ていきます。グラフをご覧ください。
では、受給額ごとの人数を詳しく見ていきましょう。まずは、男性の年金月額からです。
【男性】厚生年金保険(第1号) 年金月額階級別老齢年金受給権者数
- ~5万円未満…15万977人、5万円以上~10万円未満…97万6724人
- 10万円以上~15万円未満…261万3866人、15万円以上~20万円未満…436万9884人
- 20万円以上~25万円未満…224万9128人、25万円以上~30万円未満…28万8776人
- 30万円以上…1万7626人
合計…1066万6981人
この内訳からは、男性全体の約40.1%が「15万~20万円未満」の層に入っていることが分かります。