2. 生活保護の受給額はいくら?

生活保護として支給される「生活保護費」は、厚生労働省が定める基準で計算される最低生活費から、収入を差し引いた「差額」が生活保護費として支給されます。

たとえば、最低生活費が15万円、収入が0円だった場合、受け取れる生活保護費は15万円となります。

15万円(最低生活費)-0円(収入)=15万円(生活保護費)

同様に最低生活費が15万円でも、収入が14万円だった場合は、受け取れる生活保護費は1万円となるのです。

15万円(最低生活費)-14万円(収入)=1万円(生活保護費)

つまり、生活保護の受給額は一律ではなく、世帯状況や収入状況によって変わるのです。

そんな生活保護費の基準となる「最低生活費」ですが、地域によって基準額が異なります。

次章にて、最低生活費の算出方法を確認していきましょう。

3. 住んでいる地域で受給額が違う?最低生活費の算出方法

生活保護の受給額を決める際に重要となる「最低生活費」の算出方法は、下記のとおりです。

生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法

生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法

出所:厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)」

最低生活費=A+B+C+D+E+F

  • A:「生活扶助基準(第1類+第2類)+特例加算(1人当たり月額1000)+生活扶助本体における経過的加算
  • B:障害者、母子世帯、児童の養育等の加算額
  • C:住宅扶助基準
  • D:教育扶助基準、高等学校等修学費
  • E:介護扶助基準
  • F:医療扶助基準

最低生活費の基準は地域によって異なっており、基本的に地方よりも都市部のほうが最低生活費が高い傾向にあります。

生活保護制度では、全国を1級地から3級地までの「6つの級地」に分け、それぞれの級地ごとに最低生活費の基準額が定められており、1級地は物価や家賃水準が高い都市、3級地は地方となります。

これは地域間の「生活水準の差」を考慮したものであり、地域によって「1級地-1」から「3級地-2」までの生活保護基準が設けられているのです。

一例として、50歳 単身世帯男性の「1級地〜3級地」における、最低生活費をシミュレーションしていきましょう。