4.2 支援給付金額が下がる理由

支援給付金額が下がるのは、給与所得などが増えて「前年の年金収入とその他の所得の合計」が77万8900円を超えて補足的老齢年金生活者支援給付金を受け取るようになったケース、または調整率が下がったケースです。

納付月数480月、年金収入60万円・給与所得15万円の人が、翌年給与アップして給与所得25万円になった場合、支援給付金額は次の通り下がります。

  • 給与所得15万円の場合:支援給付金額は5310円
  • 給与所得25万円の場合:5310円×(87万8900円-85万)÷10万円=1535円

4.3 支援給付金額が変動するタイミング

支援給付金額が変わるのは毎年4月(4月、5月分は6月振込)と10月(10月、11月分は12月振込)です。

4月の改定は、支援給付金の支給水準の改定です。

2024年3月までの最高月額は5140円でしたが2024年4月から5310円になりました。

10月の改定は、前年の所得が判明して「前年の年金収入とその他の所得の合計」が77万8900円や87万8900円のラインを上回ったり下回ったりしたときに行われます。

4月の改定は支援給付金受給者の全員が対象となるのに対し、10月は上記に該当する人だけ支援給付金額が変わります。

5. まとめにかえて

障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者については、年金生活者支援給付金の支給額は定額ですが、老齢基礎年金受給者については、保険料の納付月数や年金収入、その他の所得によって一人ひとり異なります。

老齢基礎年金受給者の支援給付金額の改定は毎年4月と10月で、前年の給与所得などが増えた人は10月に支援給付金額が下がる可能性があります。

日本年金機構から12月頃に送付される「支給金額変更通知書」で確認しましょう。

参考資料

西岡 秀泰