出光興産、18年営業利益は前年比661億円増 市況上昇と石油製品マージン改善が寄与

2018年5月15日に行われた、出光興産株式会社2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:出光興産株式会社 取締役 鷺島敏明 氏

原油価格の推移

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鷺島敏明氏(以下、鷺島):鷺島でございます。それでは私から2017年度の決算概要と、それから2018年度の業績予想につきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。

2ページ目、ドバイ原油の推移がございます。

赤線の折れ線グラフが2017年度の実績でございます。見ていただきますとおり4-6月やや弱含んだのですが、6月を底にあとはほぼ一貫して原油価格が上昇したということで、2017年度の平均はそこに横棒で示してございますが55ドル90セントということで。2016年が46ドル90セントでございましたので約9ドル上昇したということでございます。

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その上に赤の点線で2018年度の前提を書いてございますが、65ドルということでさらに床を上昇して見ているということでございます。

円/米$為替レート(TTS)の推移

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続きまして為替の推移でございます。

こちらも赤い折れ線グラフが2017年度の実績です。4月から12月にかけましては安定した推移ということでなっておりましたが、1月から3月に円高が進みまして、現在も110円を下回るような状況になっているということでございます。年度を平均してみますと2017年度が111円90銭ということでございます。2018年度は110円ということで前提を作ってございます。

(1)概要

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それでは2017年度の決算の内容につきまして、ご説明させていただきます。

原油と為替の前提については先ほど申し上げたとおりなんですが、1つブレントにつきましては1月から12月の平均は54ドル30セントということで、前年対比で見ますと10ドル60セント上昇しております。

また一般炭の価格ですけれども、88ドル90セントと、こちらも22ドル90セントという大幅な上昇になったということです。なお一般炭につきましても、1月から12月の平均でございます。

損益計算書の概要でございます。2017年度の実績、売上高は3兆7,307億円ということで、前年対比で見ますと5,403億円の増収というかたちになりました。営業利益ですが2,013億円。うち在庫影響が311億円のプラスサイドでございますので、在庫影響を除きますと1,702億円ということでございます。昨年対比の増減で見ますと661億円の増益ということになります。こちらにつきましては、明細をのちほどセグメント別でご説明したいと思います。

営業外損益が250億円のプラスサイドで、経常利益が2,263億円です。特別損益がマイナスサイドで142億円ございまして、当期純利益は1,623億円ということでございます。

大きな増減が出ておりますのが営業外損益のプラス203億円ということでございますが、こちらは持分投資利益の増加によるものがほとんどでございます。昭和シェルさんを始めといたしまして、三菱商事さんとの合弁会社でありますLPGのアストモスエネルギー、このような会社がプラスに貢献しているということでございます。

特損益につきましては昨年対比で見ますとプラスの28億円ということで、こちらもやや大きなプラスマイナスがございます。関係会社の株式の売却益が121億円ございます。これは北海の油田を昨年末に、北海油田の会社ですね、これを売却しましてこれの売却益が121億円ございます。

一方で、確定拠出年金の移行に伴う経費の増がマイナスサイドで138億円ございます。そのほか減損損失、それから除却損の減少がプラスサイドで45億円効いておりまして、合わせまして前年対比で見ますと28億円のプラスサイドということでございます。

また、スライドには記載していないんですけれども、先ほど申し上げました北海油田の会社を売却したことによりまして、過年度にこの会社を減損をしておりましたので、今回、実現損が出たということで税金が減っております。この影響が約200億円強ございまして、この分が当期利益を押し上げるプラスの要因になっているということでございます。

(2)セグメント別情報①営業利益

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次にセグメント別の情報でございます。石油製品からその他まで、前年実績を上回るという実績になってございます。この明細につきまして、増減理由につきまして次のステップチャートでご説明させていただきます。

(2)セグメント別情報②2営業利益の増減分析(前年度比)

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2016年度の実績が1,352億円。2017年度の実績が2,013億円ということで、流れをステップチャートでお示ししております。

まず石油製品でございますけれども、プラスの116億円ということでございます。1番大きなプラス要因は製品のマージン改善他ということでございます。製品のマージンにつきましては前年対比で見ますとリッターあたり3円10銭改善してございます。これによりますプラスが554億円ございます。

一方販売数量は2016年対比で見ますと約2パーセント強減っており、それによるマイナスが37億円ございます。合わせまして517億円のプラスサイドということでございます。これに対しまして精製用燃料費他のコスト増がマイナスで401億円ございます。

まず原油価格が上昇いたしましたので自家燃コスト、燃料コストが上がっております。これが約100億円ございます。それからSDM、性状のトラブル、これによる影響が約100億円この中に入ってございます。それから昨年対比で見ますとやはりドバイ原油に対する我々の調達原油、例えばアラビアンライトですとかアラビアンエキストラライト、こういうものの値差が開いておりまして、この分によるコストアップが約100億円ございます。

さらに我々はショート・ポジションでございますので、例えば、SDMや性状がトラブルになったということが増えますと、調達が増えることになります。社外調達が増えることによりコストがアップするということで、これがマイナスの100億円で、全体で合わせて約400億円のマイナス要因ということでございます。

続きまして石油化学製品でございます。プラスの23億円ということでございます。こちらはまず製品のマージンの改善、それから販売数量の増加でプラスの56億円ということでございます。製品のマージンにつきましてはスチレンモノマーを中心といたしまして、堅調なマージンが継続したということでプラスの10億円ということがあります。

販売数量につきましては、前年対比で見ますと8万7000トン製品の数量増えておりまして、これによるプラスが35億円ございます。また為替要因でプラスの11億円ございまして、合わせて56億円のプラスということでございます。

一方製造用燃料費、これはナフサも上昇しておりますので、自家燃コスト、燃料コストが上昇しているということでマイナスの33億円。合わせましてプラスの23億円ということでございます。

続きまして資源他のセグメントでございます。まず石油開発でございますけれども、数量・価格要因でプラスの100億円ということでございます。価格要因につきましてはブレント、約10ドル強値上がりしておりますのでこれによる要因でプラスの163億円ございます。一方数量につきましては油田からの生産が少し減退しているということもございまして、前年対比約6,000BD程度の生産が減ってございます。これによる要因がマイナスの63億円ということで、数量、価格合わせましてプラスの100億円ということでございます。

それから探鉱費・操業費・為替要因でプラスの87億円ということでございますが、約半分の40億円が探鉱費の減、45億円が操業費の減ということでございます。残りの2億円が為替要因ということでございます。それから石炭、その他の部門ですが、ます石炭の価格要因他で315億円のプラスということでございますが、これは先ほど申し上げました石炭価格、石炭市況の上昇ということで約30ドルぐらいの石炭価格の上昇ということになっておりまして、これによる価格要因がプラスの325億円ございます。

一方為替は豪ドル高が進んだということもございましてマイナスの10億円ございまして、合わせましてプラスの315億円ということでございます。その他のセグメントでプラスの20億円ございますけれども、こちらは電子材料部門を中心といたしましたプラスサイドと、プラスの20億円ということでございます。

1.決算関連(4)連結貸借対照表

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2018年度の業績見通しにいく前に少しバランスシートの状況をご説明をさせていただきます。19ページをお願いできますでしょうか。

2018年3月末のバランスシートです。

総資産の合計が2兆9,203億円ということでございます。固定資産につきましては、前年とそんなに大きな増減はございません。

流動資産見ていただきますと2,632億円の増ということでございますが、ほとんどが売掛債権とたな卸資産ということで、原油価格の上昇を受けまして売掛債権とたな卸資産、在庫が増えたということでございます。

一方負債サイドそれから純資産サイドでございますけれども、負債の合計につきましては前年同様の数字ということになっております。純資産は9,059億円ということでプラスの2,860億円と、総資産の増加に見合う純資産の増加があったということでございます。こちらは公募増資による資本の増強に加えまして、今年度の利益による押し上げということで、プラスサイドということになっております。

有利子負債は2018年3月末が8,936億円ということで、1,587億円の減です。ネットD/Eレシオは0.93ということで、昨年対比で見ますと大幅な改善になっているという状況でございます。

(1)概要

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戻りまして、2018年度の業績見通しにつきまして、お話をさせていただきます。8ページ目でございます。

まず油価、それから為替の前提は、先ほどお話したとおりドバイにつきましては65ドル、ブレントにつきましては67ドル50セント、一般炭につきましては88ドルということで想定をしております。

損益計算書の概要は、売上が3兆9,000億円、営業利益が1,540億円です。在庫影響は今回見込んでおりませんので在庫影響除きも同じ数字ということでございます。2017年度対比で見ますと473億円の減益ということになりますが、これにつきましてはまたセグメント別にて詳しくご説明をさせていただきます。

営業外損益につきましては160億円のプラスサイド。前年対比で見ますとマイナスの90億円ということでございますが、こちらは持分の投資損益がマイナスするということでこちらもいろいろ、あまり大きなものはないんですが小さい会社で少しずつマイナスになっているということでございます。

経常利益が1,700億円。特別損益については0です。当期純利益につきましては1,030億円ということでございます。得損益は0ですが、こちらはやや入り繰りがありまして、昨年ございました減損損失が減少する要因、これがプラスの69億円。

それからプレミアムの解消に伴う利益がプラスの62億円ございます。それから前年の特殊要因の反動でプラスの17億円がございまして、これと通常の除却損等が相打ちになり、0というようなことでございます。前年対比で見ますと142億円という大きな改善になっているということでございます。

(2)セグメント別情報①営業利益

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こちらがセグメント別の営業利益のブレイクダウンでございます。

2017年度と打って変わりまして、前年よりも悪化、減益となるというような見込みでございます。それではこの増減内容につきまして次のステップチャートで説明をさせていただきます。

(2)セグメント別情報②営業利益の増減分析(前年度比)

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2017年度の2,013億円の実績からスタートしまして、2018年度1,540億円ということでございます。

まず石油製品でございますがマイナスの326億円ということで、大きなものが在庫影響でございます。前年311億円のプラスであったものが、今回、在庫影響を見込んでございませんので、まるまるマイナス要因として効いてくるということでございます。一方石油製品のマージンの縮小ほかでマイナス198億円でございますが、マージンにつきましては前年対比でリッターあたり1円のマージンの悪化を見込んでございます。それが175億円のマイナスです。

一方数量につきましては2018年度も約2パーセント強の減販を見込んでおりまして、これによる要因がマイナスの23億円ございまして、合わせましてマイナスの198億円でございます。それからシナジー・供給コスト減ということでプラスの183億円ございます。こちらは昭和シェルさんとのアライアンスシナジーがプラスの40億円入ってございます。

このほかにつきましては、昨年(2017年)ございましたSDMの影響ですとか性状のトラブルの影響、それからそれに伴います石油製品の購入が増えてしまったことによるロスがなくなりますので、合わせまして183億円のプラス、改善ということになります。

次に石油化学製品でございますがマイナスの82億円ということでございます。生産数量につきましては今年も15万トン程度の増販、生産増を見込んでおりまして、これによる要因でプラスが20億円ございます。

一方製品のマージンはSMを中心に縮小するという前提で計画を作っておりまして、これがマイナスの19億円。為替の要因でマイナスの11億円。それから製造用の燃料費がやはりナフサ、上がりますので、マイナスの47億円。そのほかでマイナスの25億円ございまして、全体で合わせましてマイナス82億円ということでございます。

次に資源他でございます。まず石油開発につきましては数量・価格要因でプラスの20億円でございます。ネットしておりますのでこの数字になっておりますが、大きな増減がございまして、まず数量につきましては今年も油田の生産数量が減るということで、約1万BDの減産です。生産数量の減を見込んでおりまして、こちらによる数量要因でマイナスの129億円ございます。

一方、価格につきましては前年対比で見ますと約13ドル強の改善になっております。こちらによる要因が約プラスの149億円ございまして、合わせましてプラスの20億円でございます。それから操業費・探鉱費・為替要因他でマイナスの42億円ですが、内訳は操業費でプラス26億円、一方、探鉱費がマイナスの48億円ということで、探鉱経費を少しかけていく計画になっております。為替でマイナスの20億円で、合わせましてマイナスの42億円ということでございます。

次に石炭・その他でございますが、石炭はこちらで数量・価格・為替でマイナスの46億円です。数量につきましては豪州のタラウォンガ鉱山の資産売却がございますので、約65万トン生産が減る予定でございます。これによる要因でマイナスの31億円です。為替の要因でマイナスの25億円です。

一方、価格につきましてはほぼ横ばいですが、1ドル弱の価格の上昇を見込んでおりまして、これによる要因がプラスの10億円ございます。合わせましてマイナスの46億円ということでございます。その他セグメントにつきましては、ほぼ前年並みのプラス3億円ということでございます。

(3)投資

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2016年度と2017年度の投資の実績でございます。

戦略投資、それから維持更新投資をそれぞれブレイクダウンしたものでございます。2018年度につきましては、中期経営計画に沿った投資の内容ということになっております。2018年は若干厚めになっておりますけれども、中期の経営計画に沿った案件を2018年度やっていくということでございます。

(4)配当方針

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配当の方針です。

基本的には安定配当を基本にして、収益およびフリーキャッシュフローの状況を踏まえ、段階的に株主還元の拡充を目指します。2020年度に、配当性向で25パーセントから30パーセントを目指しておりますが、2018年度につきましては2017年対比20円の増配で、上期50円期末50円の100円の配当を考えているということでございます。

私からのご報告は以上でございます。ご静聴どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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