令和6年度の国民年金・厚生年金支給額は、昨年度よりも2.7%引き上げられ、2年連続の増額となっています。
年金受給額は、保険料を納めた実績に基づき決定するため、一人ひとり受給額が異なります。また、夫婦世帯かおひとりさま世帯かでも、世帯受給額が異なることになります。
ほかの世帯ではどのくらいの年金を受給しているのか、標準的な夫婦やおひとりさまの平均受給額を確認していきましょう。
1. 6月14日支給分から2.7%増額に
冒頭でもお伝えしたように、令和6年度の国民年金・厚生年金は、令和5年度から2.7%引き上げられます。日本年金機構が公表している給付例は以下の通りです。
1.1 国民年金は月額6万8000円
国民年金は、令和5年度の支給額が月額6万6250円でしたが、令和6年度は2.7%引き上げられたことで1750円増額となり、6万8000円になります。
なお、6万8000円とは満額が支給される場合で、満額受給するには保険料を40年間(480月)納付する必要があり、未納月があるとその月数分減額されます。
例えば、学生時代の2年間を未納してしまった場合、納付月数は38年間(456月)となり、受給額は6万4600円です。
計算)81万6000円(国民年金満額)×456/480月(納付月数)=77万5200円/年
77万5200円÷12ヵ月=6万4600円/月
1.2 厚生年金は「標準的な夫婦」で23万483円
厚生年金は、令和5年度は22万4482円だったものが、今年度は6001円の増額で23万483円となります。
この年金額は、平均的な収入で40年間勤めた場合の、厚生年金1人分と国民年金2人分の合計額とされています。たとえば、会社員だった夫と専業主婦といったイメージです。
厚生年金は、これまでの収入や厚生年金保険への加入期間などによって保険料が決まり、一般的に収入が高いほど、また、加入期間が長いほど受給できる年金額も高額になります。
そのため、このモデルケースよりも収入が高かった世帯はより高額な受給額になる可能性があり、低かった世帯は低額になる可能性があります。そのため、ひとつの例として捉えるようにしましょう。