皆さんは仕事をリタイアした後、どのようなセカンドライフを送りたいですか。趣味を謳歌したいと考えたり、孫を目一杯甘やかしたりしたいという方もいるのではないでしょうか。
セカンドライフでは現役時代に比べると時間に余裕ができ、やりたいことが実現できるかもしれません。ただ、それだけお金がかかることも事実です。
シニア世代は資産や財産に対してどのような考えをもっているのでしょうか。70歳代への「遺産についての考え方」の意識調査では「財産は自分で使い切りたい」「遺産は残したい」など様々な考え方をもっていることがわかりました。
様々な考え方がある一方で、「そもそもどのくらい貯蓄があれば安心なのか」と老後資金に対して不安を感じている人も多いと思います。
今回は公的資料をもとに、70歳代・ひとり世帯の貯蓄事情について確認していきましょう。
1. 70歳代「遺産を残したい」「財産を使い切りたい」の割合とは
まずは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[ひとり世帯調査](令和5年)」より、70歳代の「遺産についての考え方」を見ていきます。
- 老後の世話をしてくれるならば、こどもに財産を残してやりたい:10.7%
- 家業を継いでくれるならば、こどもに財産を残してやりたい:0%
- 老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらずこどもに財産を残してやりたい:18.5%
- 財産を当てにして働かなくなるといけないので、社会・公共の役に立つようにしたい:0.6%
- 財産を残すこどもがいないので、社会・公共の役に立つようにしたい:3.9%
- 財産を残すこどもがいないうえ、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:21.8%
- こどもはいるが、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:17.7%
条件つきで財産を残したいという意見もありますが、18.5%は「老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらずこどもに財産を残してやりたい」と考えているようです。
一方で、「こどもはいるが、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい」という意見が17.7%となりました。
こどもがいない世帯も足すと、39.5%が財産の使い切りを希望しています。
では、すでに70歳代において貯蓄ゼロという世帯はどれほどいるのでしょうか。