脳疲労対策は「頭の中を空っぽにする」

「身体疲労」と並んで疲れの原因となっているもの、それが「脳疲労」である。

 脳は、日々のストレスに対処するために、身体のあちこちにさまざまな指令を出す。この時に放出されるのが「活性酸素」で、これが溜まると脳は酸化ストレスにさらされ、本来の働きができなくなってしまう。

 そんな脳疲労にアプローチするには、「何も考えない時間をつくること」が重要になる。瞑想・マインドフルネスなどを通して、頭の中を空っぽにし、脳内をすっきりリセットするのだ。

 瞑想・マインドフルネスを継続して行うと、ストレス解消や精神の安定といった効果があるほか、意欲や集中力・判断力などが向上するとの研究報告もあり、ビジネスパーソンにとってもメリットが多いといえる。

ここでも「身体を動かすこと」が重要!

 しかし、「何も考えない時間をつくる」というのは、簡単そうに思えて実はとても難しいもの。そこでやってみてほしいのが、瞑想を行う前に「身体をほぐし、動かす」という工程を入れることである。

 頭を空っぽにするのになぜ身体を動かす必要があるのか疑問に思うかもしれないが、実はこれこそが瞑想の効果を高め、脳疲労、さらには身体疲労にも効く、最重要ポイントである。

 たとえば、思い切り100mダッシュをした時のことを思い浮かべてみてほしい。走るのに一生懸命で、おそらく考え事などする余裕はないはずだ。人間は、何かの動きに最大限集中した状態では、自然と思考が止まるようにできている。

 よって、まず運動によって思考が止まりやすい状態にしてから瞑想・マインドフルネスを行うことで、よりスムーズに瞑想状態に入れるようになるというわけだ。

筆者の松尾伊津香氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

理想の「疲れにくい身体」を手に入れる

 もし「寝ても取れない疲れを効率よく解消させたい!」と願うのであれば、「股関節の圧迫を中心としたストレッチやトレーニング」の後に「瞑想・マインドフルネス」を行うのがよいだろう。

 このメソッドのいいところは、継続して行うことで、一時的な疲れの解消にとどまらず、誰もが欲する「疲れにくい身体」づくりにもつながってくるということ。

 ZERO GYMでは、ガチガチにこり固まった心身を解きほぐしたときの心地よいリラックス感を「最高の脱力」と表現している。日々、寝ても取れない疲れと戦っている方は、ぜひ「最高の脱力」を体感してみてほしい。

 

■ 松尾 伊津香(まつお・いつか)

ZERO GYM プログラムディレクター/プロボディデザイナー。関西学院大学卒。在学中、心理学・精神医学を学ぶ傍ら、ヨガ哲学やメディテーションに目覚める。アメリカ留学にて知識を深めた後、銀座でヨガインストラクターに。その後、ダイエットジムShapes Internationalの六本木本店 店長兼スーパーバイザーを経て、疲労回復専用ジム「ZERO GYM」プログラムディレクターに就任。

松尾氏の著書:『超疲労回復

松尾 伊津香