3. 8月15から年金の手取り額が変わる人とは

前述のとおり、公的年金からは「所得税や住民税、健康保険料や介護保険料」などが天引きされます。

年度中は同じ金額が天引きされると思われがちですが、実は年度途中で変動するのが一般的です。

年度で変わるケースについて、ここでは主な2つのケースについて見ていきましょう。

3.1 年金の手取りが変わるケース1:介護保険料が変更になった

年金から天引きされるお金のうちのひとつ、介護保険料は7月に決定されます。そのため、6月の年金から天引きされた介護保険料は「2023年度と同じ金額」となっています。

確定するまでの間、前年度と同じ金額を仮に徴収することを、仮徴収と言います。

早い自治体では8月に本徴収が始まるため、「仮徴収分を差し引いた金額を8月、10月、12月、2月の4回」で年金から天引きします。

ただし、8月に間に合わずに10月から本徴収が始まる自治体が多いです。この場合は10月から手取り額が変更になるでしょう。

年金の仮徴収と本徴収

年金の仮徴収と本徴収

出所:厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」

介護保険料は前年の所得で決まるため、不動産の売却や仕事を辞めたなどの所得変動があれば、金額が変わります。

3.2 年金の手取りが変わるケース2:定額減税の影響

6月から始まった定額減税は、税金が天引きされていた年金受給者にも影響があります。

所得税が1人あたり3万円、住民税が1人あたり1万円減税されるというものです。

6月支給の年金では引ききれなかった所得税が、8月にも減税されるため、天引き額が変動する方も多いでしょう。この場合は年金手取り額が変わることになります。

なお、住民税は2024年10月以後最初に支払われる年金から定額減税が実施されるため、10月以降の手取り額にも注意しておきましょう。