6. おひとりさまの老後に必要な生活費

おひとりさまの老後では、どれくらいの生活費が必要になるのでしょうか。2024年3月公表の総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考に、必要な生活費を見てみましょう。

  • 実収入:12万6905円
  • 消費支出・非消費支出:15万7673円
  • 不足分:3万768円

おひとりさま世帯の毎月の収支は、約3万円が不足する結果となっています。

貯蓄から毎月約3万円を取り崩して生活していかなければなりません。

年間で36万円程度の取り崩しをする必要があるため、前述のおひとりさま世帯の貯蓄額(中央値)ではやや心許ないといえるでしょう。

7. 老後にかかる介護費用の平均

おひとりさま世帯は、介護を家族に依頼するのが困難です。

施設利用を見据えて、自分で介護費用を積み立てておかなければなりません。

老後にかかる月額介護費用の平均額は、以下のとおりです。

老後にかかる月額介護費用の平均額

老後にかかる月額介護費用の平均額

出所:公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」をもとに筆者作成

  • 支払った費用はない:4.3%
  • 1万円未満:15.3%
  • 1万〜2万5000円未満:12.3%
  • 5万〜7万5000円未満:11.5%
  • 7万5000円〜10万円未満:4.9%
  • 10万〜12万5000円未満:11.2%
  • 12万5000〜15万円未満:4.1%
  • 15万円以上:16.3%
  • 不明:20.2%
  • 平均:8万3000円

介護費用は月額8万3000円かかる結果となりました。

加えて、同調査では介護ベッドの購入など一時支出の平均額が74万円との結果も出ています。

介護を受ける年数によって金額は変わりますが、数百万円を用意しておけば満足いく介護サービスを受けられるでしょう。

次章では老後の生活苦を防ぐために、現役のうちから取り入れておきたいことについて解説します。