2. おひとりさまの女性が受け取れる年金額の平均
では、おひとりさま世帯が受け取れる年金額はどれくらいなのでしょうか。
おひとりさま世帯の女性が受け取れる厚生年金(基礎年金含む)の平均額を見てみましょう。
女性の平均年金月額は10万4878円でした。
男性の平均額が16万3875円ですから、約6万円の差があります。
また、全体の平均年金月額は14万3973円で、女性の平均額を上回っています。
国民年金は20歳から60歳までの人が全員加入するため受給額に差が出にくいですが、厚生年金は働き方やライフイベントによって受給額が変わってきます。
おひとりさま世帯が受給できる年金額は、決して多いとはいえません。
3. おひとりさま世帯の貯蓄額(60歳代・70歳代)
では、60歳代・70歳代のおひとりさま世帯の貯蓄額を見ていきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によれば、60歳代、70歳代の平均貯蓄額は以下のとおりです。
4. 60歳代
- 平均:1468万円
- 中央値:210万円
- 金融資産非保有:33.3%
- 100万円未満:8.5%
- 100~200万円未満:4.7%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.4%
- 500~700万円未満:3.5%
- 700~1000万円未満:2.8%
- 1000~1500万円未満:6.6%
- 1500~2000万円未満:4.5%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:15.1%
5. 70歳代
- 平均:1529万円
- 中央値:500万円
- 金融資産非保有:26.7%
- 100万円未満:5.8%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.8%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.3%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:17.3%
平均額では60歳代が1468万円、70歳代が1529万円と、差は100万円未満です。
しかし、中央値は60歳代が210万円、70歳代が500万円と約2倍もの差があります。
退職金や年金などで資産が増えていると予想されます。
一方で、60歳代、70歳代どちらも約3割が金融資産を持っていません。
老後資金の金額は、人によって明確な差があるといえるでしょう。