就職や転職を考えたときに、「公務員」を目指す人もいるでしょう。企業によっては年功序列の文化が残っているところや、年齢を重ねると給与が下がっていくところもあります。また在籍する企業の業績によって賞与の額の変動も激しいようです。
こういった要因から、「安定」しているイメージのある公務員に憧れる人も多いのではないでしょうか。「公務員の退職金は多い」とよく耳にしますが、実際はどのくらいなのでしょうか。
今回は、最新のアンケート調査から「公務員の人気度」を確認するとともに、国家公務員の退職金がどのくらいもらえるのか、民間企業とはどのくらいの差があるのかについて見ていきます。
1. 国家公務員の定年退職金はいくら?2000万円を超えるのか
公務員は「国家公務員」と「地方公務員」に区分されていますが、今回は国家公務員に絞って退職金事情を見ていきます。
内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」によると、国家公務員の退職金平均は1104万3000円となりました。
このうち、退職理由が「定年」の国家公務員の退職金は下記のとおりです。
1.1 常勤職員の退職金
- 平均支給額:2112万2000円
1.2 うち、行政職俸給表(一)適用者の退職金
- 平均支給額:2111万4000円
定年退職まで勤め上げると、平均額は2000万円を超えるようですね。ただし、平均は一部の大きな値に引き上げられることもあります。
退職金のボリュームゾーンについても確認しましょう。
1.3 退職金のボリュームゾーン
【退職手当支給額別退職手当受給者数(常勤職員の場合)】
- 500万円未満:147人
- 500~1000万円未満:122人
- 1000~1500万円未満:287人
- 1500~2000万円未満:4422人
- 2000~2500万円未満:7891人
- 2500~3000万円未満:1207人
- 3000~3500万円未満:62人
- 3500~4000万円未満:12人
- 4000~4500万円未満:66人
- 4500~5000万円未満:26人
- 5000~5500万円未満:13人
- 5500~6000万円未満:4人
- 6000~6500万円未満:19人
- 6500~7000万円未満:5人
- 7000~7500万円未満:0人
- 7500~8000万円未満:0人
- 8000万円以上:0人
ボリュームゾーンは2000~2500万円未満となっていることから、多くの方が2000万円を得ていることがわかります。
次に多いのは、1500~2000万円未満のようです。
このあたりは勤続年数も関係していると考えられます。次章にて、勤続年数ごとの退職金額も見ていきましょう。