3. 働くことの効果は「収入」だけではない
先と同じ厚生労働省の統計によると、全企業における常用労働者数・約3525万人のうち、60歳以上の常用労働者数は約486万人で13.8%。
年齢階級別に見ると、60~64歳が約262万人、65~69歳が約130万人、70歳以上が約93万人を占めているとわかります。
また、21人以上企業規模における60歳以上の常用労働者数は約486万人。令和3年と比較すると、約39万人(8.6%)増加しています。
定年退職後も仕事を続けることは、単に老後の生活資金のためだけはなく、その他老後の生活にもプラスの効果があります。
3.1 シニアが定年退職後も「働くこと」の効果
- 規則正しい生活を維持できる
- 家の外で、コミュニケーションの輪を広げることができる
- 若い世代に仕事のノウハウを継承することができる
決まった時間に起きて、仕事を続けることは、規則正しい生活リズムを送ることにつながります。
そして、会社の人や、お客さんなど、家族以外の人と定期的にコミュニケーションをとることで、健康な身体と心を維持することができるでしょう。
また、仕事の中で若い世代に自分の仕事のノウハウを教える機会があるかもしれません。
社会的意義を感じながら生活する方が、人生の楽しさや生きがいを感じることができ、イキイキとした老後の生活を送ることができます。
働き続けることは、収入面だけではなく、身体や心の健康面にも大きなメリットがあります。特に事情がない場合は、定年退職後も働くことができないか、ぜひ検討してみましょう。
4. まとめにかえて
老後の生活に漠然とした不安を感じている場合、毎月の収支のシミュレーションしてみるのがおすすめです。
現在の支出を維持した場合、手元の貯蓄と年金で、何年くらい生活ができるのか計算してみましょう。
現在の貯蓄だけでは足りない場合、65歳後も仕事を継続して収入を得ることが大切。
お金に余裕がある方でも老後にイキイキと生活するために、働くことも検討してみるのもよいでしょう。
5. 参考
下中英恵FP事務所 下中 英恵