1.3 雇用保険料

雇用保険料は、失業した際の基本手当(いわゆる失業保険といわれるものです)や、育児休業給付金の財源確保のために支払う保険料です。

雇用保険料も、被保険者と企業が分担して支払いますが、半分ずつではなく企業の方が多く負担します。被保険者負担分は、ボーナスの額面金額(1000円未満は切り捨て)に0.6%をかけて計算します。ただし、農林水産・清酒製造・建設業の場合は料率が異なるため注意しましょう。

1.4 所得税

所得税は、個人の所得にかかる税金で、会社員や公務員の場合は勤務先で源泉徴収が行われます。ただし、ボーナスや賞与から源泉徴収される金額はあくまでも見込額であり、正式な税額は年末調整で清算されるのが一般的です。

所得税額は、ボーナス支給額から社会保険料の額を引いた金額に源泉徴収税率をかけて計算します。源泉徴収税率は、扶養親族等の人数や、前月の社会保険料等控除後の給与の金額により異なり、0.0%〜45.945%までに分かれます。

2. ボーナスの手取りはいくらになるのかシミュレーション

ボーナスから差し引かれるものの内容がわかったところで、実際にボーナスの手取りはいくらになるのか、具体例を用いてシミュレーションしていきます。

【シミュレーション条件】

  • 東京都在住の30歳代の会社員
  • ボーナス:40万円
  • 社会保険料控除後の前月給与:28万円
  • 協会けんぽに加入
  • 扶養親族:①なし ②2人

2.1 ①扶養親族なしの場合

扶養親族なしの場合の、ボーナスの手取り額は以下の通りです。

ボーナス額面40万円の手取り額シミュレーション結果表(扶養親族なし)

ボーナス額面40万円の手取り額シミュレーション結果表(扶養親族なし)

出所:筆者作成

扶養親族なしの場合は、額面金額40万円から社会保険料と所得税が合計で7万9852円引かれて、手取り額は32万148円となります。額面金額に対する手取り額の割合は80.04%となりました。

計算)
【健康保険料】
40万円×9.98%×1/2=1万9960円

【厚生年金保険料】
40万円×18.3%×1/2=3万6600円

【雇用保険料】
40万円×6/1000=2400円

【所得税】
{40万円-(1万9960円+3万6600円+2400円)}×6.126%=2万892円

続いては、扶養親族が2人いる場合の手取り額をシミュレーションしてみます。