1. 日経平均は日銀の会合を受けて買われる
2024年6月14日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比94円09銭高の3万8814円56銭となりました。3日ぶりの反発です。日銀は14日まで金融政策決定会合を開きました。追加利上げが見送られた一方、国債買い入れの減額方針が決まりました。減額の具体策の公表は先送りされました。
国債買い入れの減額は市場では織り込み済みでしたが、金融引き締めに消極的な「ハト派」と受け止められ、安心感から買いが広がりました。ただし、心理的節目となる3万9000円を超えると利益確定売りなどに押されました。東証プライムの売買代金は概算で5兆3191億円でした。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比57ドル94セント安の3万8589ドル16セントで終えています。ミシガン大学が14日に公表した6月の消費者態度指数(速報値)は65.6と、市場予測を下回りました。また、2023年11月以来の低水準となっています。米消費の減速を示す内容になったことから、経済が軟化するとの見方が広がり、米株が売られました。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸しています。連日で最高値を更新していたS&P500種株価指数は5日ぶりに小幅反落しましたが、エヌビディアは1.7%高と好調です。
日本株は週初から高安まちまちとなりそうです。半導体関連銘柄など、ハイテク株は買われる可能性があります。14日の東京株式市場でソフトバンクグループ株が3日続伸し、終値で心理的節目の1万円を超えました。同銘柄が1万円を超えるのは、2021年5月以来3年1カ月ぶりです。傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス株が上昇していることも大きな要因です。生成AI(人工知能)向け銘柄は引き続き買われそうです。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、年内の利下げ回数が減りました。国内景気は弱含みで、日銀も追加利上げに踏み切ることはできません。円相場は引き続き円安・ドル高傾向が続くでしょう。再度、1ドル=160円も視野に入ってきました。