6月14日は年金支給日でした。次回の支給は8月15日まで空くとあり、年金生活者はやりくりが求められるでしょう。
さて、今月の支給分から年金額が2.7%の増額となったことをご存知でしょうか。
物価や現役世代の賃金上昇を受けて改定された年金ですが、個人差があることにも注意が必要です。
今回は65歳→90歳以上で「厚生年金・国民年金」の平均月額はどう推移するのか見ていきます。
1. 国民年金と厚生年金「2階建て構造」の仕組み
年金は2階建て構造だと聞いたことがあるかもしれません。これは、1階部分に国民年金、2階部分に厚生年金が位置することから呼ばれるようになりました。
1.1 国民年金の加入者と特徴
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律で2024年度は1万6980円
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金の加入者と特徴
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
社会保険適用拡大を受けて、10月からは厚生年金の加入者が増えることが見込まれます。
では、それぞれの年金額はいくらなのでしょうか。
65歳→90歳以上で平均月額がどう推移するのか見ていきましょう。
2. 【一覧表で見る年金】65歳→69歳で「厚生年金」の平均月額はどう推移する?
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、まずは厚生年金の月額を65歳から順に見ていきます。
なお、以下の厚生年金はすべて国民年金部分を含みます。
2.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
2.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
2.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
2.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:15万8753円
65歳では14万3504円。90歳以上が15万8753円で、年齢があがるにつれ平均月額が上がる傾向が見られました。
なお、もっとも高いのは87歳の16万732円です。
ただし、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、実際には個人差が大きいです。記事後半で全年齢の月額もご紹介しますが、10万円未満の人も30万円以上の人もいるのが特徴なのです。
※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となるため低くなります。
続いて国民年金についても見ていきましょう。
3. 【一覧表で見る年金】65歳→69歳で「国民年金」の平均月額はどう推移する?
国民年金は誰もが同じ保険料を支払うため、あまり個人差がないのが特徴です。年齢別の平均額を同資料から見ていきましょう。
3.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
3.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
3.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:5万5413円
- 81歳:5万5283円
- 82歳:5万7003円
- 83歳:5万6779円
- 84歳:5万6605円
- 85歳:5万6609円
- 86歳:5万6179円
- 87歳:5万6030円
- 88歳:5万5763円
- 89歳:5万5312円
3.4 国民年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:5万1974円
65歳以降はいずれも月5万円台となりました。5万円台前半~5万円台後半の違いはありますが、厚生年金ほどの違いはありませんね。
「国民年金への加入が義務でなかった時代」があったため、年齢が上の世代ほど低いように見られます。
※65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者となるため低くなります。
4. 老齢厚生年金の平均年金月額はいくら?グラフで見る個人差
全年齢での平均年金月額も確認することで、次は年金の個人差に注目しましょう。
4.1 厚生年金の平均月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体では月14万円台となりましたが、男女別に見ると約6万円の差があります。
4.2 老齢厚生年金の受給額のボリュームゾーン(男性)
- 1万円未満:4万2520人
- 1万円以上~2万円未満:1万79人
- 2万円以上~3万円未満:4930人
- 3万円以上~4万円未満:7128人
- 4万円以上~5万円未満:2万2573人
- 5万円以上~6万円未満:5万6631人
- 6万円以上~7万円未満:16万3911人
- 7万円以上~8万円未満:24万2231人
- 8万円以上~9万円未満:24万8550人
- 9万円以上~10万円未満:27万422人
- 10万円以上~11万円未満:34万2760人
- 11万円以上~12万円未満:43万1283人
- 12万円以上~13万円未満:51万9747人
- 13万円以上~14万円未満:62万5003人
- 14万円以上~15万円未満:73万5371人
- 15万円以上~16万円未満:83万5773人
- 16万円以上~17万円未満:92万6898人
- 17万円以上~18万円未満:98万1435人
- 18万円以上~19万円未満:95万8567人
- 19万円以上~20万円未満:87万3863人
- 20万円以上~21万円未満:73万5334人
- 21万円以上~22万円未満:55万3806人
- 22万円以上~23万円未満:37万3837人
- 23万円以上~24万円未満:24万7558人
- 24万円以上~25万円未満:16万2911人
- 25万円以上~26万円未満:10万437人
- 26万円以上~27万円未満:5万8850人
- 27万円以上~28万円未満:3万3028人
- 28万円以上~29万円未満:1万5615人
- 29万円以上~30万円未満:7225人
- 30万円以上~:1万2164人
4.3 老齢厚生年金の受給額のボリュームゾーン(女性)
- 1万円未満:1万8838人
- 1万円以上~2万円未満:5649人
- 2万円以上~3万円未満:4万9991人
- 3万円以上~4万円未満:8万8044人
- 4万円以上~5万円未満:7万9829人
- 5万円以上~6万円未満:9万6142人
- 6万円以上~7万円未満:24万7838人
- 7万円以上~8万円未満:44万5242人
- 8万円以上~9万円未満:67万9961人
- 9万円以上~10万円未満:85万3550人
- 10万円以上~11万円未満:78万4733人
- 11万円以上~12万円未満:60万2971人
- 12万円以上~13万円未満:42万5915人
- 13万円以上~14万円未満:30万500人
- 14万円以上~15万円未満:21万7785人
- 15万円以上~16万円未満:15万8271人
- 16万円以上~17万円未満:11万3832人
- 17万円以上~18万円未満:7万6975人
- 18万円以上~19万円未満:5万1987人
- 19万円以上~20万円未満:3万6135人
- 20万円以上~21万円未満:2万3752人
- 21万円以上~22万円未満:1万5400人
- 22万円以上~23万円未満:9745人
- 23万円以上~24万円未満:5971人
- 24万円以上~25万円未満:3370人
- 25万円以上~26万円未満:1854人
- 26万円以上~27万円未満:916人
- 27万円以上~28万円未満:435人
- 28万円以上~29万円未満:178人
- 29万円以上~30万円未満:126人
- 30万円以上~:326人
男性は17万円以上~19万円未満の人が多い一方、女性は9万円以上~10万円未満が多くなり、平均額とともに違いが浮き彫りとなりました。
今の年金世代において、女性は男性に比べて賃金が低く、結婚や出産等で離職するのが一般的でした。
結果的に年金額にも影響が出ていると考えられます。
4.4 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
一方で、国民年金の平均月額は男女ともに5万円台で、男女差もほとんどありませんでした。
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
個人差も厚生年金ほど多くないようです。
5. 年金は増額改定も、個人の対策が必要
6月支給の年金から2.7%の増額改定とはなりましたが、実際には個人差が大きい老齢年金。
年金だけで生活できる人ばかりではなく、労働により収入や貯蓄でカバーする人も多いでしょう。
公的年金を増やすには、現在の年収をあげて長く働くこが重要です。転職等も視野に、キャリアについて考える必要があります。
ご自身の年金受給予定額について、ねんきん定期便やねんきんネットで確認しておきましょう。
さらに、公的年金だけでなく「私的年金」「貯蓄」「労働収入」も重要になります。
統計を参考に、ご自身に合った老後資金計画を考えてみましょう。










