4. 年金の繰下げ受給で月20万円も可能になる?
年金の繰下げ受給をすれば、受給額を月20万円にすることができます。
年金の繰り下げ受給をすると、1ヵ月あたり0.7%ずつ増加します。
繰り下げの上限年齢は75歳です※。
※昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなります
たとえば、年金受給額が15万円だった場合、69歳に到達するまで繰下げすると、受給額が20万400円となりました。
年金月額を20万円にするために、いつまで繰り下げするかまとめると、以下の通りです。
- 年金月額11万円:74歳9ヵ月
- 年金月額12万円:73歳
- 年金月額13万円:71歳5ヵ月
- 年金月額14万円:70歳2ヵ月
- 年金月額15万円:69歳
- 年金月額16万円:68歳
- 年金月額17万円:67歳2ヵ月
- 年金月額18万円:66歳4ヵ月
- 年金月額19万円:65歳8ヵ月
それぞれの年金を受け取るために必要な年収は、以下の通りです。
- 年金月額11万円:年収約230万円
- 年金月額12万円:年収約284万円
- 年金月額13万円:年収約339万円
- 年金月額14万円:年収約394万円
- 年金月額15万円:年収約448万円
- 年金月額16万円:年収約503万円
- 年金月額17万円:年収約558万円
- 年金月額18万円:年収約613万円
- 年金月額19万円:年収約667万円
以上から、年収が722万円に満たなくても繰り下げ受給をすれば、理論上は年金額を20万円にできることがわかります。
5. 繰下げ受給の注意点も加味して検討を
年金を月20万円受け取るためには、年収で約722万円が必要です。しかし、年収が常に722万円であることは現実的ではありません。
もし年金額が20万円に満たない場合、年金の繰下げ受給を検討するのもひとつでしょう。
ただし、年金の繰下げ受給をすれば、適用される所得税率が高くなる可能性があります。
また、社会保険料の徴収額にも影響する可能性があるので、繰下げを検討する場合は注意してください。
参考資料
川辺 拓也