2. 年金を月20万円もらうには年収でいくら必要?【モデル年金から】
2024年5月13日に行われた厚生労働省の社会保障審議会において、収入モデルごとの年金受給額が公表されました。
単身世帯と夫婦世帯、片働き世帯で、それぞれ収入水準ごとの年金受給額を示しています。
単身世帯における年金受給額は、報酬ごとに以下の通りです。
- 報酬54万9000円:18万6104円
- 報酬43万9000円:16万2483円
- 報酬32万9000円:13万8862円
- 報酬37万4000円:14万8617円
- 報酬30万円:13万2494円
- 報酬22万5000円:11万6370円
- 報酬14万2000円:9万8484円
続いて、夫婦2人世帯と片働きの場合、報酬ごとのモデル年金額は以下の通りです。
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
- 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
- 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
- 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
- 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
- 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
- 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
- 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
- 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
- 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
モデル年金を参考にすると、報酬54万9000円(年収換算658万8000円)でも年金は18万6104円で、20万円に届かないことがわかります。
次章では、年金を20万円受け取るためには年収がいくら必要なのか、実際に計算してみましょう。
3. 年金を月20万円もらうには年収でいくら必要?【試算結果から】
会社員や公務員の場合、年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」に分かれます。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、以下の要件に基づいて計算されます。
- 老齢基礎年金:20歳から60歳までの国民年金保険料の納付期間
- 老齢厚生年金:厚生年金に加入していた時の報酬額や加入期間
老齢基礎年金が満額で支給される場合、月額で6万8000円になります。
年金を月20万円受け取る場合、厚生年金部分は残り13万2000円が必要です。
月額13万2000円を受け取るために年収がいくら必要になるかは、以下の計算式で確認することができます。
厚生年金に40年間、加入していた場合でシミュレーションしましょう。
- 老齢厚生年金の年額(158万4000円)=平均年収÷12×0.005481×480
- 平均年収=158万4000円×12÷0.005481÷480
計算すると、月20万円以上の年金額を受け取るためには、平均年収として約722万円が必要となります。
では、年収が722万円に満たない場合、絶対に年金の受給額を月20万円にできないのでしょうか。
実は年収が722万円に満たない場合でも、年金の受給額を20万円にする方法はあります。
そのうちのひとつ、年金の「繰下げ受給」という制度について、最後に確認してきましょう。