4. 年金生活者の注意点
年金生活者の定額減税について注意すべき点を紹介します。
4.1 2024年中に扶養親族の人数が変わったときは確定申告が必要
2024年度の途中に扶養親族の増減があった場合、定額減税の控除額が変わります。
2024年分の確定申告(2025年に申告手続き)によって控除額を精算し、税金を納付または還付します。
4.2 給与と年金の両方で減税を受けた場合は確定申告で精算
給与所得と年金所得のある人は、給与と年金の両方で定額減税分が控除されます(扶養家族がいなければ合計8万円が控除)が、減税額が増えるわけではありません。
確定申告したときに精算し、余分に控除された税金を納付することになります。
4.3 住民税非課税世帯等には給付金
住民税非課税世帯などに対しては定額減税がない代わりに、次の給付金が支給されます。
- 住民税非課税世帯:世帯主に1世帯あたり7万円(※)と18歳以下の児童1人あたり5万円
- 均等割のみ課税の世帯:世帯主に1世帯あたり10万円と18歳以下の児童1人あたり5万円
※2023年度に給付された3万円と合計すると1世帯あたり10万円の給付となります。
給付金を受け取るには市区町村から送付される申請書や確認書の提出が必要となるため、忘れずに提出しましょう。
5. まとめにかえて
年金生活者に対しても、1人当たり4万円の定額減税が行われます。
扶養家族がいれば、扶養家族分を含めて減税が受けられます。
減税開始は所得税が2024年6月支給分、住民税が10月支給分からです。
2024年中に扶養親族の人数が変わった場合や、定額減税の代わりに給付金を受ける場合などは手続きが必要となるため注意しましょう。
参考資料
- 内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」
- 国税庁「定額減税について」
- 日本年金機構「公的年金から源泉徴収される所得税等の定額減税」
- 国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」
- 首相官邸「政府与党政策懇談会」
西岡 秀泰