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(初公開日:2021年6月7日)

シニア世代の就労を後押しする制度が整いつつあるこんにち。定年引き上げや、再雇用・延長雇用の計画を打ち出す企業も増えています。

とはいえ、やはり還暦を迎える60歳、もしくは年金受給の開始年齢である65歳を、「老後のスタート地点」と捉える人が多数派ではないでしょうか。

今回は、2021年5月18日に公表されたばかりの、総務省「家計調査」をもとに、65歳以上世帯の貯蓄事情を見ていきます。

【注目記事】65歳以上「無職の夫婦世帯」最新統計で貯蓄額が明らかに!年金・支出額は平均でいくらなのか

1. いまどきシニア「貯蓄はいくらあるのか」

ここからは、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄について、最新データをながめていきます。

まず、二人以上の世帯のうち、世帯主が65歳以上の世帯について、貯蓄額の分布を確認しましょう。

1.1 65歳以上・二人以上世帯の「貯蓄額分布」

【写真1枚目/全3枚】65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額は?

【写真1枚目/全3枚】65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額は?

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯) Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」をもとに筆者作成

1.2 65歳以上・二人以上世帯の「貯蓄現在高」 (貯蓄保有世帯)

平均値…2324万円
中央値…1555万円

上記の貯蓄分布をながめると、65歳以上世帯の40.7%が、あの「2000万円」を超える貯蓄額を保有しています。

また、4000万円以上の世帯が17.3%、300万円未満の世帯が15.4%と、それぞれ同程度存在している点は着目すべきでしょう。「老老格差」などと呼ばれる貯蓄の二極化が起きていることが分かります。

また、「2000万円」を一つの区切りとして考えたとき、平均値ではそれを超えていますが、中央値はまだ手が届いてない状態です。

1.3 ことばの解説

【写真2枚目/全3枚】平均値と中央値のちがいって?

【写真2枚目/全3枚】平均値と中央値のちがいって?