3. 厚生年金の受給額、ひと月「10万円未満」の割合は?

先ほどの受給額分布を見ると、1カ月あたりの年金月額が「10万円未満」の受給者の割合は、男性で約10.6%、女性で約50%です。また、1カ月あたり「5万円未満」の層に絞ると、男性で約1.4%、女性で5.9%存在します。

一方、「30万円以上」を受け取る人の割合は、男性で全体の約0.17%、女性は全体の約0.007%となっています。

「厚生年金は国民年金よりも、保障が手厚い」というイメージは間違いではないのですが、現役時代の加入状況や働き方などにより、老後の受給額には個人差が生じることが分かります。

仮に厚生年金の加入期間があっても、脱サラして自営業・フリーランスになった人や、専業主婦(夫)の期間が長い人などは、予想よりも受給額が少ない場合は、大いにあり得ることです。

働き盛りの現役世代のみなさんは、ねんきんネットやねんきん定期便で、ご自身が受け取る年金の目安をぜひ確認されることをお勧めします。

そして、現在の貯蓄状況・リタイヤまでの支出と収入を、ざっくりと書き出してみましょう。年金生活のスタートまでに、どのくらい資金が準備できそうでしょうか。また、その金額で「年金不安」を解消できそうでしょうか。

4. 人生100年時代「年金不安に、どう備える?」

理想の人生はひとそれぞれです。老後の暮らしに必要となるお金も、世帯によって異なります。ライフスタイル、健康状態などによって、老後の「必要経費」も変わってきますね。

とはいえ、公的年金に2000万円、ないしはそれ以上ともいわれる老後資金を、一朝一夕で用意できる人はごく一部のみなさんでしょう。

超低金利時代と呼ばれるこんにち、銀行などにお金を預けておくだけでは、受け取る利息はほんのわずかです。

効率的にお金を増やすために、お金に働いてもらう発想、つまり「資産運用」にトライされる好機であるかもしれませんね。

資産運用は、期間を長くかければかけるほど、リスクが軽減し、リターンが安定してきますので、できるだけ早い時期にスタートされることをお勧めします。

ゆとりある年金生活を迎えるために、「お金のこと」、改めて考えてみませんか?

参考資料