物価高による「老後4000万円問題」が話題となっていますが、老後に自分がいくらの年金をもらえるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
1つの基準として「月15万円」の年金に憧れを持っている人もいるかもしれません。
そこで本記事では、実際に厚生年金を「月15万円」もらう人がどれくらいいるのか紹介します。
月15万円の手取りや月15万円の年金を受け取るために必要な現役時代の年収についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 厚生年金「月15万円」もらえる羨ましい人はどれくらいいるのか
ではさっそく、厚生年金を月15万円もらう人がどれくらいいるのか確認しましょう。
厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。
1.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)
年金受給額:割合
- 月額1万円未満 :0.38%
- 月額1万円以上2万円未満:0.10%
- 月額2万円以上3万円未満:0.34%
- 月額3万円以上4万円未満:0.59%
- 月額4万円以上5万円未満:0.64%
- 月額5万円以上6万円未満:0.96%
- 月額6万円以上7万円未満:2.57%
- 月額7万円以上8万円未満:4.30%
- 月額8万円以上9万円未満:5.80%
- 月額9万円以上10万円未満:7.03%
- 月額10万円以上11万円未満:7.05%
- 月額11万円以上12万円未満:6.47%
- 月額12万円以上13万円未満:5.91%
- 月額13万円以上14万円未満:5.79%
- 月額14万円以上15万円未満:5.96%
- 月額15万円以上16万円未満:6.21%
- 月額16万円以上17万円未満:6.51%
- 月額17万円以上18万円未満:6.62%
- 月額18万円以上19万円未満:6.32%
- 月額19万円以上20万円未満:5.69%
- 月額20万円以上21万円未満:4.75%
- 月額21万円以上22万円未満:3.56%
- 月額22万円以上23万円未満:2.40%
- 月額23万円以上24万円未満:1.58%
- 月額24万円以上25万円未満:1.04%
- 月額25万円以上26万円未満:0.64%
- 月額26万円以上27万円未満:0.37%
- 月額27万円以上28万円未満:0.21%
- 月額28万円以上29万円未満:0.10%
- 月額29万円以上30万円未満:0.05%
- 月額30万円以上:0.08%
平均年金月額:14万3973円
*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている
厚生年金受給者のなかで月15万円以上の年金をもらう人の割合は、46.1%となります。厚生年金受給者の約2人に1人が月15万円の年金をもらっている計算です。
ただし、上記の数字に会社員や公務員経験がない専業主婦や自営業者などの国民年金のみ受給者は含まれないため注意しましょう。国民年金のみ受給者の年金額は、さらに低額となります。
厚生年金受給者のなかで月15万円以上年金をもらう人の割合を確認しましたが、額面全額をもらえるわけではありません。
次章では、老後の年金「月15万円」から社会保険料や税金がどれくらい天引きされ、手取りがいくらになるかをシミュレーションしてみましょう。