4. 年収1000万円でも生活が苦しい?
年収1000万円を得ている人でも、必ずしも生活が豊かであるとは限りません。
その理由は、以下の通りです。
- 支出が多くなってしまう
- 公的補助制度の対象外となる
それぞれの理由について確認しましょう。
4.1 支出が多くなってしまう
支出が多くなる点は、生活が苦しくなる原因の1つです。
使えるお金に余裕があると思ってしまい、買い物や娯楽といった支出が、一般的な世帯より増える傾向があります。
マイホームや車のローン返済、子どもの保育料や習い事代など、日々の生活で必要になる支出が多くなると、家計を圧迫してしまいます。
年収1000万円でも、しっかりと家計を見直して不要な支出がないか見直す必要があるでしょう。
4.2 公的補助制度の対象外となる
年収1000万円を超えると、国や自治体の補助対象から外れる点も、家計を圧迫する要因でもあります。
保育料については、収入が高くなると費用が高くなります。
また、高等教育の修学支援制度も、所得が高いと対象世帯から外れてしまいます。
児童手当についても、10月からは所得制限が撤廃される予定ですが、現行制度は所得によって支給額が少なくなっています。
所得要件を設けていると、年収1000万円の世帯でも家計が苦しくなる可能性が高いです。
5. 年収1000万円でも生活に余裕がないケースも
年収1000万円の割合や貯蓄額について解説しました。
年収1000万円を超える人は、全体のおよそ5%でした。
ただし、貯蓄ができている人とできない人が混在しています。
年収1000万円を超えていても、税金や社会保険料で差し引かれると、手取りはおよそ730万円です。
しかし、収入が増えると生活にかける支出も増やせると思ってしまい、結果的に家計を圧迫してしまう可能性があります。
そのため、年収1000万円を超えても、家計の管理は慎重に行いましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 国税庁「民間給与実態統計調査」
- 産労総合研究所「2024年度 決定初任給調査 中間集計」
川辺 拓也