6. 「月10万円・20年間」を利回り3%で運用した場合
では、最後に「月10万円・20年間」で運用した場合の結果を見ていきます。
6.1 シミュレーション結果
- 3283万円(元本2400万円+利益883万円)
元本2400万円に対し、利益が883万円出ました。
「本当にこんなに増えるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
投資信託の平均利回りについては金融庁の資料から、国内外の株式、債券に積立・分散投資した場合、20年間の長期保有では2~8%収益率という結果が出ています。
このため、利回り3%というのはさして高いハードルではないと考えられます。
ただし、これらはあくまで20年間の長期保有という前提がある点に注意しましょう。短期保有では元本割れしたケースも見られました。
今回のシミュレーション結果についても、安定して利回り3%を保っている前提でのシミュレーション結果となっていますが、実際には投資信託などを用いた資産運用には元本割れのリスクが伴います。
試算結果はあくまでも目安としてご利用ください。
7. 新NISAのよくあるご質問(FAQ)
ここからは、新NISA制度に関するよくある質問をご紹介します。
7.1 Q1.非課税保有限度額が1800万円ですが、つみたて投資枠だけ、もしくは成長投資枠だけで使い切ることはできますか?
A1.つみたて投資枠だけで1800万円を使い切ることはできます。成長投資枠だけで使い切ることも可能ですが、成長投資枠の非課税保有限度額は1200万円となっています。
7.2 Q2.非課税保有限度額は買付額ベースで管理されますか?
A2.「買付け残高(簿価残高)」で管理されます。また、NISA口座内の商品を売却した場合には、その商品の簿価分の非課税枠が再利用できるようになります。
7.3 Q3.非課税保有限度額を管理するとのことですが、金融機関は変更できますか?
A3.金融機関は変更できます。非課税保有限度額については国税庁において一括管理を行います。なお、金融機関変更の方法やスケジュールはご利用の金融機関で事前に確認しましょう。
8. 新NISAを活用して自分に合った資産運用を
これまで、新NISAの制度や意識調査を解説し、実際のシミュレーション結果を確認してきました。
今回のシミュレーション結果のように確実に増えるわけではなく、資産運用には元本割れのリスクは伴いますが、分散投資や長期投資をすることでリスクを低減させることができます。
また、新NISAではさまざまな投資対象があるため、自分の意向に合った商品選びというのも大切です。
初めての資産運用にはまず「新NISA」を活用して将来の資産形成をを始めてみてはいかがでしょうか?
参考資料
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」
- 金融庁「新しいNISA Q&A」
- 株式会社400F「オカネコ 新NISAの利用意向調査2024年4月」
- 金融庁「20・30代投資初心者向けつみたてNISA Meetup Online」
筒井 亮鳳