2. 「国民年金と厚生年金」のリアルな平均額はいくら?
冒頭でお伝えした2024年度の年金額例は、あくまで「国民年金満額受給の金額」と「夫が平均標準報酬43万9000円で40年間就業し、夫婦ともに国民年金満額受給のモデル夫婦の厚生年金の金額」であるため、必ずしもこの金額を受給できるわけではありません。
では、厚生年金と国民年金のリアルな平均額はどのくらいなのでしょうか。
本章では、国民年金と厚生年金それぞれの平均月額・受給割合について紹介していきます。
2.1 国民年金の平均月額・受給割合
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は下記のとおりです。
【国民年金の平均月額】
- 男女全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
続いて、国民年金の受給割合は下記の結果となっています。
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金は、日本に住む20〜60歳未満の人が原則加入対象であり、保険料は一律です。
40年間保険料を納めることで、老後に国民年金を満額受給することが可能です。
とはいえ、平均額をみると2024年度の国民年金満額受給額である「6万8000円」よりも低く、国民年金のボリュームゾーンは、5〜7万円となっていることから、全ての人が満額受給していない現状がみてとれます。
2.2 厚生年金の平均月額・受給割合
厚生労働省年金局の同調査によると、厚生年金の平均月額は下記のとおりです。
【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】
- 男女全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
続いて、厚生年金の受給割合は下記の結果となっています。
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
厚生年金は主に会社員や公務員が加入対象となり、現役時代の報酬に応じて保険料が変わるため、年収や加入期間によって老後に受け取れる厚生年金の金額が変わります。
厚生年金の受給割合は国民年金と比較するとバラつきがあり、受給額に個人差があることがうかがえます。
年金は、受け取れる年金の種類や現役時代の年収、加入期間などによって、受給額が変わるため、ご自身が将来どのくらい年金を受け取れるのか、事前に確認しておけると良いでしょう。
ご自身の年金見込額を詳しく知りたい方は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。
3. 年金スケジュールを把握しておこう
本記事では、公的年金の支給月や年金支給スケジュールについて詳しく紹介していきました。
公的年金の支給は、2ヶ月に1回となるため、次回の年金支給日は「6月14日」となります。
年金は2ヶ月分の支給となるため、「1ヶ月分の支給額」と勘違いしないよう留意し、次回支給となる2ヶ月後まで生活ができるように、計画的な家計管理を意識しておけると良いでしょう。
参考資料
太田 彩子