4. 年金を増やす方法はある?「年金の繰下げ受給」とは
公的年金には国民年金と厚生年金があります。どちらも原則65歳からの受給となりますが、これを遅らせることで、受給額を増やすことができます。
増加率は1ヶ月遅らせるごとに0.7%増え、1年間遅らせると8.4%になる計算です。
2022年4月以降は75歳(10年間)まで拡大されたので、最大で84%も受給額を増やすことができます。
4.1 【早見表】繰下げ増額率の一覧表
老齢基礎年金・老齢厚生年金それぞれについて増額され、増額は生涯続きます。
ちなみに、どちらか一方のみ繰下げすることも可能です。
繰下げ受給を希望する場合は、66歳以後で繰下げ受給を希望する時期に手続きを行う必要があります。
また手続きを行った時点で繰下げ増額率が決まりますので、手続きをする時期にご注意ください。
5. 今のうちに老後資金の対策を
厚生年金を月額15万円以上受給している人の割合は46.1%と、半数以下となっていました。
「年金だけでは老後の生活に不安がある」と感じた方は、年金以外での資金確保について検討する必要があるかもしれません。
近年では、iDeCoや新NISAなどの制度もあり、資産運用へのハードルは低くなっています。
また、年金額は繰下げ受給の手続きをすることで金額を増やすことができます。
さまざまな選択肢の中から、ご自身の考えに合った老後の資産形成を考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
中本 智恵