今年1月に厚生労働省は、6月支給の年金額を2.7%増やすことを発表しました。年金額には個人差がありますが、平均的な夫婦世帯の年金だと、
- 国民年金(満額):6万8000円(1人分)
- 厚生年金(国民年金を含む):23万483円(夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額)
となっています。
夫婦で23万483円受け取れるということについて、少ないと感じる人も、多いと感じる人もいるかと思いますが、ここで注意点があります。
23万483円はあくまで額面であり、実際には税金や社会保険料が差し引かれた金額が振り込まれるのです。
本記事では年金が振り込まれた際に送付される「年金振込通知書」と、年金額の「額面と天引き後の差」がどれくらいあるのかについて確認していきたいと思います。
1. 毎年6月送付の「年金振込通知書」とは?
「年金振込通知書」とは、すでに年金受給を開始している方が「年金支払額」や「振込予定額」などを確認するためのものです。
毎年6月頃に、日本年金機構から送付されます。
年金振込通知書には6月~翌4月までの年金支給に関する情報が記載されているため、必ずご確認ください。
なお、年金振込額や受取金融機関などに変更があった場合や、年金振込通知書を紛失し再送の手続きをした場合は、原則振込月の上旬に送付されます。
2. 「年金振込通知書」で確認すべき事項とは?
冒頭で申し上げたとおり、老後に受給する年金からも税金や社会保険料が天引きされます。
額面年金額から、何がいくら天引きされ、最終的に振り込まれる金額はいくらか?を遠近振込通知書で確認することができます。
年金振込通知書で確認すべき項目について見ていきましょう。
2.1 【年金振込通知書の確認すべき6項目】
- 年金支払額(天引き前の額面の金額)
- 介護保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)※
- 所得税額および復興特別所得税額
- 個人住民税額
- 控除後振込額(天引き後の手取り額)
※天引き対象でない場合は記載されていません
年金支払額
年金支払額は「額面」の年金額です。
また、年金は2ヶ月分まとめて支給されるため、年金支払額は2ヶ月分の合計金額となる点にご留意ください。
介護保険料額
年金年額が18万円以上の場合、介護保険料は年金から天引きされます。
40歳から64歳までの間、介護保険料は健康保険料に含まれていますが、65歳になると単独で支払うことになります。
また、介護保険料の支払いは一生続き、たとえ介護状態になった場合でも支払いは継続される点に注意が必要です。
後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
国民健康保険や、75歳以上の方が原則として加入する後期高齢者医療制度の保険料も、年金から天引きされます。
ただし、普通徴収(納付書や口座振替)で納めるケースもあります。
所得税額および復興特別所得税額
公的年金は雑所得に区分され、65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税されます。
また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に併せて復興特別所得税もかかります。
個人住民税額
前年の年金所得が一定になる場合は課税され、天引きで納めることになります。
控除後振込額
控除後振込額は、税金や社会保険料が天引きされた後の金額で、実際に振り込まれる「手取り額」です。
このように年金振込通知書は老後の年金収入に関することが記載されていますので、お手元に届いたら必ず目を通しておきましょう。
では実際、年金からどのくらいの税金や社会保険料が天引きされるのでしょうか。
次章にて、具体的な金額を紹介していきます。