結婚したくないわけではないが、何らかの事情で結婚してこなかったという方は周りにもいらっしゃるのではないでしょうか。

平成27年国勢調査の結果をもとに国立社会保障・人口問題研究所がまとめた調査では、50歳まで一度も結婚したことがない人の割合、いわゆる「生涯未婚率」は男性23.37%、女性14.06%となっています。皆さんは、この比率を高いと思いますか? それとも、それほどではないと思われるでしょうか。

見た目も悪くない、しかも高学歴。でもなぜか独り

一見すると結婚していてもよさそうなものなのに、していない。高学歴で見た目も悪くなく、むしろ「EXILE」にでもいそうな風貌の40歳を目前にした男性に、なぜ結婚していないのか話を聞いてみました。

中国地方出身のA氏は地元の高校を卒業後、都内の有名私大から大学院へと進学して順調に博士号を取得しました。また、専門分野におけるコンペでも様々な受賞経験のある、いわゆる知的エリート。外見も、高校時代から「おしゃれ番長」といわれたほど、服装に気を遣うタイプです。

不安定な雇用環境で結婚に踏み切れず

――学歴や外見には問題がないように思えますが、なぜ結婚していないのでしょうか。

「振り返ってみると、昔同棲していた時に結婚するチャンスはありました。ただ、当時はポスドクだったので結婚に踏み切れなかったということはあります」

――ポスドクとは何でしょうか。

「ポスドク(ポストドクターの略)とは、博士号の学位を取得後に任期付の役職についている状況を指します。最近では高学歴にもかかわらず雇用が不安定なこともあり、「ポスドク問題」が社会問題の一つとして取り上げられることも多くなっています」

「学問を生業にする者は、自分の周りを見ると、博士課程に入るときに学生結婚するか、任期付きではない教職のポジションを手にするテニュアになってから結婚するか、どちらかのパターンが多いように思います。テニュアでなければ、そもそも契約が年単位の更新であったり、収入が不安定なので、ポスドクでは結婚に踏み切れないのが現実ですね」

40歳目前の知的エリートは結婚相手に何を求めるのか