パルコ、18年通期は減収減益に着地 主力SC事業の店舗数減が影響

2018年4月9日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社パルコ2018年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社パルコ 取締役兼代表執行役社長 牧山浩三 氏

2017年度業績①連結業績(損益計算書)

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牧山浩三氏:それでは、決算説明資料に基づきまして、私から説明をさせていただきます。

4ページを開いてください。まず、連結業績から順にご説明させていただきます。

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2017年度の連結業績につきましては、 主力のショッピングセンター事業で、前期の渋谷パルコの一時休業と、千葉パルコの閉店に加えまして、今期(2017年)8月大津パルコ閉店によりまして、店舗数の減少(をいたしました)。

さらに、前期(2016年)の渋谷再開発に関わります固定資産売却益の反動影響などによりまして、前年に対しましては減収減益となりましたが、営業利益・当期利益は計画を上回って着地をいたしました。

営業収益は、仙台パルコ2の通年稼働とパルコヤ上野の開業や、総合空間事業のパルコスペースシステムズの工事受注増などがあったものの、パルコの衣料品販売の不振などによります売上基調の低下や、大津パルコの閉店、前年の渋谷パルコの一時休業の影響などがありまして、(営業収益は)916億2,100万円で(前年比で)21億5,900万円の減収となりました。

営業利益は117億1,300万円で減益となりましたが、コストの効率化や大津パルコ閉店損失引当金の戻入などによりまして、計画に対して上回って着地をいたしました。

親会社の所有者に帰属する当期利益は78億900万円で、9億8,500万円の減少となりました。計画に対しては、営業利益の要因に加えまして、有利子負債の減少などによって支払利息が減ったことにより、プラスとなりました。EBITDAは173億7,200万円となっています。

2017年度業績②連結業績(損益計算書)

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5ページで、前年(2016年)との差異要因をグラフ化しています。

事業利益では、パルコの店舗が減ったことによる営業総利益の減少などによりまして、102億8,400万円で25億1,300万円のマイナスとなりました。

営業利益では、パルコ既存店舗のマイナスや前期の渋谷再開発に関わります固定資産売却益の反動などが影響いたしまして、(膨らみを)カバーしきれずに117億1,300万円で、24億9,000万円の減益となりました。

2017年度業績③連結業績(財政状態計算書)

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資産合計につきましては、パルコヤ上野や京都ゼロゲートの開業にともなう(会計処理影響での一時的な)増加、渋谷再開発に関わる取得予定保留床原価や、仕掛販売用不動産などによります一時的な資産が、34億4,000万円膨らんでいることなどによりまして、前会計年度末(2016年)と比べ130億2,900万円増加し、2,618億3,500万円となりました。

また、パルコヤ上野と京都ゼロゲートの資産には、ファイナンスリースによる影響額が約48億円含まれております。

資本合計は1,263億1,100万円となり、親会社所有者帰属持分比率は48.2パーセントとなりまして、有利子負債は53億4,200万円減少し、(2017年は)528億2,000万円となりました。

ROEは6.3パーセント、ROAは資産合計が一時的に増加していることなどによりまして、4.5パーセントとなりましたが、ともに計画どおりの水準でございます。

2017年度業績④連結 セグメント別実績

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ページをおめくりいただきまして、7ページは連結セグメントでございます。

株式会社パルコを中心とするショッピングセンター事業は、減収減益となりました。専門店事業の株式会社ヌーヴ・エイは、主力のTiCTAC事業の苦戦と不採算店舗のスクラップや、減損損失の計上もありまして、減収減益となりました。

相互空間事業の株式会社パルコスペースシステムズは、内装や電気工事の受注増と新規案件の受託などにより、増収となりました。セグメント利益は減益となっておりますが、前年に資産の売却益があり、その影響を除きますと増益となっております。

その他の事業は、株式会社パルコデジタルマーケティングは求人事業の撤退によりまして、減収となりましたけれども、本業のWeb事業に集中したことなどにより、増益となりました。

パルコのエンターテイメント事業は、劇場と音楽事業が好調で増収となりましたが、パルコ劇場が一時休業していることなどにより、セグメント利益はマイナスとなりました。

その他の事業は、合計では営業収益・セグメント利益ともプラスとなっています。

2017年度業績⑤連結 主な販売費及び一般管理費と設備投資

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次に、連結の販売費および一般管理費は、外形標準課税率の影響により租税公課の増加や、新規開業店舗の販管費である借地借家料が増加したことなどによりまして、4億7,400万円増加いたしました。

減価償却費は、販管費の減価償却費以外に、パルコ店舗の営業原価などに含まれる減価償却費があり、注釈に表記いたしました通り、合計では56億5,900万円となり、前年比106.8パーセントとなりました。

設備投資は128億9,500万円で、主に前期の渋谷再開発に関わる投資の影響によりまして、前年(2016年)に比べて58億2,800万円減少いたしました。

2018年度 業績等予想

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次に、業績等の予想でございます。

2018年度の業績予想といたしましては、パルコヤ上野など新規開業物件のフル稼働による効果などによりまして、営業収益と事業利益は増収増益を計画しておりますが、営業利益は前年(2016年)の大津パルコ閉店の影響や、2018年度以降の開発コストの増加などを見込み、微増の予想としております。

設備投資は、渋谷の再開発計画の進捗などにともなう計画額で、約203億円を計画しております。なお、203億円の計画は計上ベースであり、ファイナンスリース分の約35億円を含んでおります。

2018年度 予想業績前年差異

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10ページに記載の通り、事業利益と営業利益の業績予想の前年(2016年)差異要因を各社別でグラフに表した場合、このような構図になります。

配当金

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次に、配当金でございます。剰余金の配当は、安定配当を行うことを基本とし、業績と配当性向を勘案して実行しております。2017年度の1株当たり配当金は期末12円、年間で23円を決定いたしました。2018年度は、中期配当は12円、年間では1円増配の24円を予想しております。

開発計画1 計画物件

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次に、開発計画でございます。2017年度に上野のパルコヤ、京都のゼロゲートが開業いたしまして、墨田区錦糸町の駅前物件と大丸松坂屋の所有する大丸心斎橋店北館内への出店を決定し、発表いたしました。

また、本日(2018年4月9日)、川崎へのゼロゲート出店を発表いたしております。

開発計画2 2017年度開業物件

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2017年度は、パルコ業態1件と、ゼロゲート1件を開業いたしました。上野松坂屋旧南館の複合ビル計画の中で、上野フロンティアタワーが完成しましたが、その中にパルコヤが11月にオープンをいたしました。

レストランフロアを中心に、計画を上回って好調に推移しておりまして、開業後の期間ではすでに黒字化を達成しております。

また、京都の四条通り沿いの大丸京都店に隣接をしております京都ゼロゲートは、(2017年)11月に上層階が部分オープンをしておりまして、これも利益貢献をすでにしております。

開発計画3 2017年度発表物件

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次に、2017年度は新たな大型物件2件の計画を決定し、発表いたしました。東京東部エリアにおける新たな事業拠点として、墨田区錦糸町駅前物件の出店を決定いたしました。現東京楽天地ビルのコアとして、2019年春の出店を予定しております。

また、大丸心斎橋店北館への出店を決定し、2021年春の開業を目指します。

開発計画4 新規発表物件

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ページをおめくりいただきまして、15ページでございます。

本日(2018年4月9日)、川崎へのゼロゲート出店を決定し、発表いたしました。2019年初秋の開業を予定しております。川崎市中心部への出店で、計画地はJR川崎駅前の交差点角地にあり、視認性の高い立地です。小さいながらも、エリアのさらなるにぎわいの創出に貢献する、新たな商業施設を目指してまいります。

開発計画5 2018年度開業物件

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2018年度は、ゼロゲート2件の開業を予定しており、その1件がすでに開業しております。

まず、(2018年)3月に原宿の明治通り沿いに原宿ゼロゲートを開業いたしました。人気SNSキャラクターグッズストア「LINE FRIENDS flagship store」と、フィットネスジムを誘致しております。

また、神戸の三宮ゼロゲートは、すでに4階建てのビルを新築中でございまして、今年の秋に開業予定でございます。

開発計画6 中期経営計画の進捗状況

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17ページにありますように、開発物件は中期経営計画目標としております12件の計画のうち、3件がすでに開業し、6件の計画が順調に進捗しているという図でございます。

店舗事業1 改装概要

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次に、パルコ事業でございますが、店舗事業の中のパルコ店舗では、消費変化と店舗の特性を踏まえたマーケットへ提案する改装を推進しております。

2017年度は、35,000平米の改装を実施し、改装ゾーン取扱高前年比は126.7パーセントとなりました。

2018年度は、消費の多様性に即した新たな付加価値創造をテーマに、同じく35,000平米の改装を予定しております。

「コスメ」や「食」関連を中心としたアイテムの導入によりまして、ファッションゾーンのバラエティを拡充する改装を実施する予定でございます。

店舗事業2 顧客政策

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ページをおめくりいただきまして、次に店舗事業の顧客制作です。まず、クレジットカードの実績では、顧客ロイヤリティの高いパルコカードクラスSのカードホルダーによる取扱高が伸長いたしました。クラスSは、年間10万円以上パルコカードをお使いになった方に付加される、カードのクラスでございます。

訪日外国人による取扱高は、海外発行クレジットカード取扱高が継続して伸長しておりまして、全国平均でも125.1パーセントという伸び率でございました。

店舗事業3 ICTを活用した顧客とテナントに向けた取り組み

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次に、店舗事業のうちの顧客サービスと店舗サポートという政策として、ICTを活用した顧客サービスとテナントに向けた取り組みを行っております。2019年秋に開業予定の、新生渋谷パルコでの本格導入を想定した上で、いろいろな実証実験も含めて実施をしているということでございます。

まずお客さまに向けては、コーディネートを3Dで発生したそのデータを、お客さま自身がSNSで発信できるような3Dスキャナを、渋谷のSR6という建物に導入し、ファッションの販売に活用しております。

また、パルコ館内で音声対話案内を実現する音声検索サービス「Alexaスキル」を開発いたしまして、池袋パルコに導入をいたしました。

さらに、「POCKET PARCO」というアプリの情報内容に連携した購買メニューの充実など、メディアとしての発信力を高めていく政策を掲げております。

また、出店テナントに対しましては、販売や情報発信の強化を、新しいICT技術を導入してサポートしていこうという施策を組んでおります。

関連事業1 専門店事業(ヌーヴ・エイ)、総合空間事業(パルコスペースシステムズ)

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次に、専門店事業の株式会社ヌーヴ・エイの2018年度は、既存売上の伸長と利益率の改善、不採算店舗のさらなるスクラップに加え、優良店舗、新業態・ECへの経営資源のシフトなど、「店舗数拡大」というテーマから「顧客接点の拡大」と、大きく戦略を転換してまいります。

総合空間事業の株式会社パルコスペースシステムズの2018年度は、人事施策の実施、オフィス環境改善などを行うことで、事業基盤のさらなる安定化を図った上で、引き続き外部への事業拡大を推進してまいります。

関連事業2 その他の事業(パルコデジタルマーケティング、エンタテインメント事業)

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その他の事業のパルコデジタルマーケティングの2018年度は、Webと店頭の両面でデジタル活用の販促支援など、商業施設や専門店の支援メニューの多様化と、最新のICT活用により、受注の継続と新規開拓も強化をしてまいります。

もう1つ、その他事業のパルコのエンタテインメント事業は、2018年度に三谷幸喜作・演出『江戸は燃えているか』や、海外脚本家マーティン・マクドナーによる『ハングマン』など、話題作を外部劇場で上演する予定でございます。

また、渋谷パルコパート3にありましたミニシアター「シネクイント」が(2017年)7月、渋谷の公園通り側のビルに、2つのスクリーンの映画館として復活オープン予定でございます。

ESGへの取り組み

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ページをおめくりいただきまして、最後の23ページには、ESGへの取り組みを記載しています。パルコグループの社会的役割は、社会が共感する新しい価値を創造し、街づくり、インキュベーション、情報発信を通じて、都市を刺激し発展させることだと考えております。「環境」「社会」「ガバナンス」に関する課題へも積極的に投資し、企業価値を継続的に向上させていく覚悟でございます。

以上、簡単ではございますけれども、2018年2月期の決算の内容とさせていただきます。

記事提供:ログミーファイナンス

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