3. 【富裕層】買い物の共通点から「お金持ち」を目指すヒントを得る

上手に「お金を増やしていく」方法を見つけるべく、今回はお買い物に注目してみましょう。

富裕層の「お買い物」に関する共通点は以下のとおりです。

3.1 「一生単位」で消費や時間を考える

家計簿をつけて1カ月の収支を把握したり、旅行費用や税金など年単位でかかるお金を意識してマネープランを立てたりする方は多いと思います。

一方で富裕層はお金について考えるとき、さらに長い目で見て一生単位で考える方が多い印象です。

節約というと「ガマンが必要、貧乏くさい」などネガティブなイメージもありますが、富裕層のそれはネガティブなものではありません。

より安いものを手に取る、買い物リストを作る……これらの行動を習慣化すれば、継続的に生活費のコストダウンが見込めます。

〈たとえば「節約」シミュレーション〉

月「5000円」生活費を落としたら……

  • 1年:6万円
  • 10年:60万円
  • 30年:180万円

生活費を落とす金額を増やすほど、一生で考えれば「購買行動」を変えるだけで他の貯蓄や投資に使えるお金が十分に生まれるでしょう。

ただ、富裕層はお金だけでなく、時間やそれにかかるエネルギーも重要視します。安さを求めて何件もスーパーを渡り歩くことはしません。買い物の時間を短くして生まれる時間やエネルギーを他に使う、といった視点をもっています。

「節約したお金と時間、エネルギーを他のものや投資に使う」といった前向き、かつ建設的な視点をもっているからこそ、富裕層の節約は続きやすいといえそうです。

貯蓄や投資に関しても短期をみるのではなく、一生単位で損得を考える富裕層が多いでしょう。

3.2 クーポンやポイ活をして「お得」になるよう工夫する

店舗で配られたり、アプリで配信されたりするクーポン。今は買い物するだけでポイントが貯まる「ポイ活」を活用する方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、ついクーポンを使うのを忘れてしまったり、めんどくさく感じたり、さまざまな手段をうまく使いこなしきれていない自覚のある人もいるでしょう。

お金に余裕のある「富裕層」でもクーポンを使ったり、ポイ活を活用したりします。

今回は参考として、ラグジュアリーカードが行った「2023年の新富裕層の消費動向」をみていきましょう。

〈ラグジュアリーカード利用データ調査〉

  • 調査対象期間:2023年1月1日~2023年12月31日
  • 調査対象:期間中のラグジュアリーカード(チタンカード、ブラックカード、ゴールドカード、ブラックダイヤモンド)会員※人数非公開

3.3 2022年と2023年を比較!カード利用金額の伸び率が大きい加盟店カテゴリーTOP5

2022年と2023年のカード利用金額比較

2022年と2023年のカード利用金額比較

出所:Black Card Ⅰ 株式会社「ラグジュアリーカード利用データ調査」

伸び率が高かったカテゴリーでは、広告・マーケティング費の増加はビジネス関連の動向を表していますが、それ以外のカテゴリーはほぼ個人でプライベート楽しむ項目で占められました。

コロナが収束傾向にあり、各自が自由に行動できるようになったことから、ジムなどの健康面への投資が活発化し、さらにスキマ時間にゲームやレンタルコミックなどで「自分時間」を楽しんでいる様相がうかがえます。

買い物には百貨店のみならず「セカンドハンド(=中古品)」の手段も活用するなど、上手にお金を使いながら、自分のやりたいことを思い切り楽しんでいるようです。

また、百貨店やジムでは会員限定の優待やサブスクなどの利用も可能。お得を逃さない富裕層の動きが見て取れます。

数々のメリットがわかると、クーポンやポイ活を利用する意欲も上がるでしょう。

3.4 「今、注目」の新しいものではなく、総合的に価値があるものを買う

資産があるからこそ、いつでも何でも買えるイメージのある富裕層。常に最新のものを購入する印象もあります。

しかし実際には、むやみに新しいものを買わない富裕層も多いものです。新しいものを買うよりも、長持ちするものや価値のあるものを買う方が多いでしょう。

むやみに新しいものを買えば、その都度お金がかかりますし、ゴミは増え、購入するための時間や労力もかかります。

ただ「新しいものを買う」という行動の中でもムダは多いもの。これがいくつも、何十年も積み重なれば、ムダなお金と時間を使ってしまうことが分かります。

それよりも長持ちするものを購入すれば、新しいものを買うためのコストや時間も減らせます。

とはいえ何でも買わないわけではなく、自分や家族の体験や時間、心身の余裕を保つためにメリットがあるものや、資産になるものにはお金をかけます。

お金をかけるものに価値があるかを考え、長持ちするものを買うことで無駄遣いの機会を減らしたいですね。

4. まとめにかえて

今回データを確認すると富裕層は、日本に約2.6%、超富裕層は約0.2%存在します。

彼らに共通することは「思考」「行動」「判断」がしっかりと確立されていること。今は富裕層でなくても、富裕層の「思考」「行動」「判断」を模倣することは意思さえあれば誰でもできます。

今は超低金利時代。銀行に預けていてもお金が増えない時代。新しい「新NISA」などもうまく活用し、資産運用を始めて「富裕層」を目指すのも良いかもしれませんね。

参考資料

荒井 麻友子