2. 最低賃金が高い都道府県はどこ?
年収の壁となる基準は全国共通ですが、実際の賃金事情は都道府県によって異なるものです。
一つの基準となるのが最低賃金。
そこでこの章では、全国の最低賃金から「高い都道府県・低い都道府県」について見ていきます。
2.1 都道府県ごとの最低賃金
- 北海道:960円
- 青森県:898円
- 岩手県:893円
- 宮城県:923円
- 秋田県:897円
- 山形県:900円
- 福島県:900円
- 茨城県:953円
- 栃木県:954円
- 群馬県:935円
- 埼玉県:1028円
- 千葉県:1026円
- 東京都:1113円
- 神奈川県:1112円
- 新潟県:931円
- 富山県:948円
- 石川県:933円
- 福井県:931円
- 山梨県:938円
- 長野県:948円
- 岐阜県:950円
- 静岡県:984円
- 愛知県:1027円
- 三重県:973円
- 滋賀県:967円
- 京都府:1008円
- 大阪府:1064円
- 兵庫県:1001円
- 奈良県:936円
- 和歌山県:929円
- 鳥取県:900円
- 島根県:904円
- 岡山県:932円
- 広島県:970円
- 山口県:928円
- 徳島県:896円
- 香川県:918円
- 愛媛県:897円
- 高知県:897円
- 福岡県:941円
- 佐賀県:900円
- 長崎県:898円
- 熊本県:898円
- 大分県:899円
- 宮崎県:897円
- 鹿児島県:897円
- 沖縄県:896円
2.2 最低賃金が「高い都道府県・低い都道府県」
最低賃金がもっとも高いのは東京都の1113円、もっとも低いのは岩手県で893円となりました。
その差は220円。もし年収の壁を意識するとなると、上限となる勤務時間格差も大きくなります。
しかし、これから賃金アップの動きが進む中で、上限を気にして働き控えを続けるのは、やはりもったいないという視点もあるでしょう。
手取り収入が逆転する期間がいっときのことなのであれば、その後も年収アップを目指して「壁を超える」こともひとつなのかもしれません。
傷病手当金や出産手当などが拡充されることや、将来の厚生年金が増えることもメリットとして考えておきたいポイントです。
一方で、育児や介護、あるいは配偶者が転勤族であることなどで、勤務時間に制限が出てしまう人もいます。
家庭の事情はさまざまですので、「扶養はずるい」などと分断を招く議論ではなく、多くの国民の生活が豊かになる方向で議論が進むことが望まれます。
3. まとめにかえて
最低賃金はどこの都道府県で高いのかに注目して見ていきました。
もっとも高いのは東京都の1113円、もっとも低いのは岩手県で893円です。
しかし、年収の壁は全国共通の課題です。
政府は年収の壁・支援強化パッケージにより支援を進めていますが、個人でも今一度働き方を考え直す時期にきているのかもしれません。
参考資料
太田 彩子