柳井氏「生き残るためには、自ら変わる以外にない」 大幅黒字決算で語るファストリの土俵

2018年4月12日に行われた、株式会社ファーストリテイリング2018年8月期第2四半期の内容を書き起こしでお届けします。IR資料①IR資料②IR資料③ 質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長 柳井正 氏
株式会社ファーストリテイリング グループ上席執行役員 CFO 岡﨑健 氏
株式会社ファーストリテイリング グループ上席執行役員 若林隆広 氏

ファーストリテイリング 今後の展望

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柳井正氏:こんにちは、柳井です。決算の内容に関しては岡﨑(健氏)から詳しく説明しますので、私からはファーストリテイリングの今後の方針について、あるいは現状についてお話ししたいと思います。

ご存じのように、グローバル化とデジタル化は、もうすでに水や空気のよう生活に密着不可分なものになっています。国とか企業とか業界という従来の枠組みを越えて、人や物、情報が自在に動き、既存の産業はすべて情報技術で再構築され、世界的な規模で競争する時代になったんじゃないかと思います。

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このような状況下で、誰かの後追いではなく、自分が戦う土俵を自分の手で作り上げる。他の企業に真似ができないプラットフォームを作ったところが、勝ちだと思います。そういう時代になったと思います。その典型例が、GoogleとかAppleとかAmazonとか、あるいは中国で言ったらAlibabaとかTencentとか。そういったものが、典型例だと思います。

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我々なんですけど、「MADE FOR ALL」とか「Life Wear」というコンセプトを世界で初めて構築して、具体的に示しました。単なる流行の服とか低価格の服ではなく、高品質な生活の道具として、人が個性を作り出すための部品を提供してまいりました。

常にリーズナブルな価格で、いつでも、どこでも、誰でも手に入り、豊富なアイテムからサイズがあって、自分でそれを組み合わせて個性を作っていく。そういう生活に欠かせない部品、生活のための道具を、世界中に供給しています。ある意味では、日常のインフラに近い性格を持っていると思います。

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そして、このような明確なコンセプトを持った服の商売を、商品の企画、生産、物流、店頭・オンラインといった販売、最後のリサイクルまで、自分たちの手で行っております。まだまだ道半ばですが、服のビジネスを通じて社会をより良い方向に変えていくためのコンセプトを明確に構想して、具体的な商品やサービスとして実現してまいりました。

それをやってきたのは、我々ファーストリテイリングだけだと考えています。この点で、世界中のお客さまから支持を得ていると考えております。

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社会は、ものすごいスピードで変化しています。急速に変化する社会で競争に勝ち、生き残るためには、自ら変わる以外にありません。変化に対して受け身になれば、必ず衰退します。自ら積極的に変化を起こして、自らその機会を活用して成長する。そのための、全社を挙げてのチャレンジが「有明プロジェクト」であります。

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ぜひ、みなさんに理解していただきたいのは、「有明プロジェクト」はECの推進……インターネット販売の推進に限ったことではなく、全社の変革運動であるということです。企画、生産、物流、販売まで、我々が自ら主体的にビジネスプロセスのすべてを変革し、自分たち自身の働き方を根底から変える。まったく新しい働き方・新しい会社を作るのが、「有明プロジェクト」の目的であります。

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この全社の基本は、「無駄なものをつくらない」「無駄なものを運ばない」「無駄なものを売らない」ということ。すべての業務プロセスを我々が完全に理解して、あらゆる領域のパートナー・取引先さま・お客さまと一緒に、問題を解決していく。

明確な目標を設定し、無駄を徹底に排除して、本当に世界中のお客さまの生活を変えられる服をお届けする。そのためのツールとしての、最先端のデジタル技術を活用する。企画、生産、物流、店頭での販売。そこに至る全社員の働き方・仕事のしかたを、すべて変えていこうと考えております。

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次に、「Global is Local, Local is Global」。これは、私たちがこれまでグローバル事業を展開するにあたり、大切にしている考えです。

世界中のあらゆる国・地域に、それぞれ固有の文化・歴史・生活・気候があり、好みの色・サイズ・デザイン・シルエットがそれぞれ違います。ローカルの文化・価値観・歴史を尊重して、個性を大事にしつつ、グローバルでビジネスの動機を取り、事業に対する価値観を全社員が共有する。「Global is Local, Local is Global」は、そういう意味であります。

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もう1つ重要なのが、「グローバルワン 全員経営」です。世界で一番良い方法で、ファーストリテイリンググループの全事業を経営していく。世界で1つのファーストリテイリングとユニクロを作り変える。世界中のすべての社員が経営者感覚を持って、全員で経営していく。「有明プロジェクト」が目指すのは、まさにここにあります。

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有明にオフィスを移転して、「有明プロジェクト」を本格稼働して約1年です。大きな成果は、有明のオフィスがグローバル・ヘッドクオーターの機能を向上させたことであります。グローバル・ヘッドクオーターの方針のもと、世界中の各地域の本部や店舗が常に連携を取り、確かなデータに基づいて、1つの組織体として有機的に仕事をする体制ができあがりつつあります。

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ここ数年、大胆な人事異動(により)、多数の優秀な人材が国内および海外で経営経験を積むことで、経営の中核を担う人材が育ってまいったと思います。長年目指してまいりましたチーム経営が、実現しつつある実感を持っております。

すでに私は、経営に関する決定の最終承認をするだけで、日常業務の執行に関して、経営執行チームが担っています。私は午後3時過ぎに毎日帰っております。業績は好調です。みなさんご関心がおありのこととして、後継者問題があると思いますが、現状の経営陣はけっこう良い線をいっているんじゃないかと思っておりますし、何も心配しておりません。

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それと、その次に、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」。これは、ファーストリテイリングのコーポレート・ステートメントであります。すべての出発点がここにあります。ビジネスはお客さまを、そして社会をより豊かにするためにあります。

この目的を忘れずに、より良い世界を実現する。そのための努力を、これからも継続してまいりたいと思います。ぜひ、みなさまの暖かいご支持、ご支援をお願いしたいと思います。以上でございます。ありがとうございました。

2018年8月期上期業績および通期見通し

岡﨑健氏:CFOの岡﨑でございます。私から、2018年8月期上期の業績および通期の業績見通しについて、ご説明をいたします。

【連結】 2018年8月期 上期実績

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2018年8月期の上期の連結業績ですが、売上収益は1兆1,867億円、前年同期比16.6パーセント増。事業そのものの収益を示す事業利益は1,819億円、同41.4パーセント増。営業利益は1,704億円、同30.5パーセント増。親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,041億円、同7.1パーセント増と、計画を大幅に上回る増収増益となりました。

【連結】 上期 営業利益

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まず、連結の損益計算書のポイントをご説明いたします。売上収益は1兆1,867億円と、前年同期比で1,692億円の増収となりました。全セグメントで増収となりましたが、とくに海外ユニクロ事業が、1,145億円の大幅な増収となっています。売上総利益率は49.3パーセントと、同0.7ポイント改善をしています。これはジーユー企業で1.5ポイント、海外ユニクロ事業で1ポイント、国内ユニクロ事業で0.8ポイント改善したことによります。

売上高販管費比率は34パーセントと、同1.9ポイント改善をしています。これは海外ユニクロ事業で2.3ポイント、国内ユニクロ事業で1.9ポイント改善したことによります。事業利益は1,819億円と、41.4パーセントの増益となりました。その他の収益・費用の合計は、115億円のマイナスとなっています。

これは主に、グローバルブランド事業を中心に減損損失を99億円計上したこと、2月末の為替レートが期首に比べ円高となったことにより、海外子会社の仕入れに関わる一時立替金などで、為替差損が17億円発生したことによります。これらの結果、営業利益は1,704億円、30.5パーセントの増益となっています。

【連結】 上期 親会社の所有者に帰属する四半期利益

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次に、金融損益ですが、期首に比べ為替が約3円の円高になったことから、外貨建資産などの換算額が減少し、金融損益はネットで52億円のマイナスとなっています。この結果、税引前四半期利益は1,651億円と、11.9パーセント増。親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,041億円、7.1パーセント増となりました。

【セグメント別】 上期実績

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6ページのスライドは、セグメント別の業績です。各セグメントの詳細について、次のスライドから説明をしてまいります。

【国内ユニクロ事業】 上期実績

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まず、国内ユニクロ事業の上期の業績ですが、売上収益は4,936億円、前年同期比8.5パーセント増。営業利益は887億円、同29パーセント増と、計画を大幅に上回る増収増益を達成いたしました。

【国内ユニクロ事業】 売上収益

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国内ユニクロ事業の上期の既存店売上高は、前年同期比8.4パーセントの増収と、計画を大幅に上回りました。今期の秋冬商戦は、好調な販売トレンドが継続いたしました。これは例年以上の寒さにより、ヒートテック・ダウン・フリース・スウェット・暖パンといった防寒衣料の販売が好調だったことによります。

また、生産・物流・販売が連動した精緻な販売計画を策定し、状況に応じて売れ筋商品の在庫をしっかり持ちつつ、動きの悪い商品は、早めの売価変更を行うなど、タイムリーな修正を行うことができたことが、功を奏しました。とくに、売上規模の大きい11月・12月の販売が好調だったことから、上期の既存店売上高は、高い伸び率を達成することができました。

1月は冬物商品の欠品により、若干の減収となりましたが、2月になりまして春物が順調に立ち上がったことから、増収に転じています。上期の客数は4.2パーセント増となりました。これは、コア商品の販売が好調だったことに加えまして、「JW ANDERSON」「イネス・ド・ラ・フレサンジュ」などのコラボレーション商品のニュースが、お客さまへ伝わったことによります。

客単価につきましては、4パーセント増となりました。これは、比較的単価の高いアウター、ボトムスなどの販売が好調だったことによります。Eコマース事業の上期の売上は372億円、同31.6パーセントの増収。売上構成比は、6.2パーセントから7.5パーセントに上昇しています。

【国内ユニクロ事業】 売上総利益率

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次に、国内ユニクロ事業の売上総利益率ですが、48.9パーセントと前年同期比0.8ポイント改善いたしました。これは、値引率が大幅に改善したことによるもので、この改善幅は計画を上回る水準です。為替の社内レートの円安傾向が続いていることから、原価率の上昇は継続しています。ただし、冬物商品の販売が好調だったことから、在庫処分による値引きロスが減少し、上期の値引率は前年同期比で大幅に改善をしています。

【国内ユニクロ事業】 販管費

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次に、売上高販管費比率は30.9パーセントと、前年同期で1.9ポイント改善いたしました。売上が計画を大幅に上回ったにもかかわらず、経費は金額ベースでも計画以上に削減ができています。とくに、物流費・広告宣伝費の削減が大きいです。

まず、物流費比率ですが、前年同期比0.6ポイント改善をいたしました。改善した要因は、店舗関連の物流費を大幅に削減できたことによります。これは、生産から販売までのサプライチェーン全体の商品量を可視化したことによって、在庫の適正なコントロールができたこと。また、倉庫オペレーションの効率化ができたことなどによります。

一方で、EC関連の物流費は、EC販売の拡大・有明倉庫のEC専用化によるコスト負担増加に伴い、金額・比率ともに増加をしています。

広告宣伝費比率は、同0.6ポイント改善をいたしました。これは、チラシ・新聞広告・店内販促物の効率化によるものです。人件費比率は、0.3ポイント改善をいたしました。時給や賞与など、従業員への待遇を改善したことによって、人件費増はありましたけれども、店舗での生産性が向上したことで、上期の人件費比率は全体として改善いたしました。

【海外ユニクロ事業】上期実績

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ここからは、海外ユニクロ事業についてご説明をいたします。売上収益は5,074億円、前年同期比29.2パーセント増。営業利益は807億円、同65.6パーセント増と計画を大きく上回る、大幅な増収増益となりました。なお、為替による業績の押し上げ要因は、平均で約7パーセントでした。海外ユニクロ事業の営業利益率は15.9パーセントと、前年同期比で3.5ポイント改善をいたしました。

これは、商品構成の見直し、販売計画の精度の向上、値引きに頼らない商売への転換といった、グローバルでの経営改革が進んできたことによります。地域別では、全エリアで計画を上回る業績を達成し、とくに北米・グレーターチャイナ・韓国で収益性が改善いたしました。米国では赤字幅が大幅に縮小し、来期の黒字化に向けて着実に前進をしています。

【海外ユニクロ事業】上期 エリア別(1)

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ここからは、地域別の業績についてお話をさせていただきます。グレーターチャイナは、計画を上回る大幅な増収増益となりました。その中の中国大陸ですけれども、計画を上回り、大幅な増収増益となりました。ヒートテック・ダウンといった冬物商品の在庫を、2月の春節の商戦までしっかり持った商売ができたことによって、上期の既存店売上高は計画を上回り、増収となりました。

粗利益率は計画通り、ほぼ前年並みとなりましたが、経費比率が改善したことから、営業利益は計画を上回る大幅な増益を達成いたしました。

香港は冬物販売が好調だったことから、上期の既存店売上高は増収。営業利益は、計画を上回る増益を達成いたしました。

台湾は在庫調整が一巡したことで、既存店売上高は増収。粗利益率も大幅に改善し、営業利益は計画を大幅に上回り、前年同期比で倍増しています。

韓国も計画を大きく上回る、大幅な増益を達成いたしました。寒波の影響で、冬物商品が全般的に好調だったため、既存店売上高は2桁増収となりました。また、マーケティングと売り場の連動がより強化されたこと、値引きを抑えた商売に転換したことから、粗利益率が大幅に改善いたしました。また、経費コントロールも継続をしています。

【海外ユニクロ事業】上期 エリア別(2)

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次に、東南アジア・オセアニア地区ですが、計画を大きく上回る大幅な増収増益となりました。東南アジアは、夏物商品が好調だったことに加え、トラベル需要に対応したヒートテック・ウルトラライトダウンなどの冬物商品の販売も、堅調に推移をしました。既存店売上高は、東南アジア全体で2桁増収を継続しています。

これらのエリアでは、ユニクロが強みとしているUT・ポロシャツ・ショートパンツなどのコア商品を継続的にニュース発信し、ブランドの強化を図ったことで値引きが減少し、営業利益率は大幅に改善いたしました。とくに業績が良かったエリアは、タイ・インドネシア・マレーシアです。

次に北米ですが、米国の収益性が大幅に改善をいたしました。米国は地域別での商品構成の見直し、販売計画の精度の改善によって、ヒートテック、ウルトラライトダウン、フリース、フランネルシャツなどのコア商品の販売が拡大したこと、ブラックフライデーやクリスマスなどのホリデー商戦の販売も好調だったことから、上期の既存店売上高は、計画を若干上回り増収となりました。

なお、Eコマース販売は継続的に好調なトレンドとなっております。

米国の収益面では、経費比率の改善が進んだことから計画以上に収益が改善し、上期は若干の営業赤字ということで、計画以上に改善をしているということであります。

ヨーロッパも、計画を上回る大幅な増益を達成いたしました。欧州全体の既存店売上高は、増収となっております。ロシア、フランス、英国は順調な業績を継続しております。

2017年9月に初出店したスペインでは、11月に2店舗目をオープンし、好調なスタートとなっております。

【ジーユー事業】 上期実績

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次にジーユー事業ですが、売上収益は1,058億円、前年同期で8.3パーセント増、営業利益は91億円、同23.3パーセント増と増収増益となりました。

売上は計画を下回りましたが、営業利益は計画を上回っております。ジーユー事業の既存店売上高は、計画を下回り若干の減収となりましたが、出店によって期末の店舗数が前年同期末比で26店舗純増となったことから、上期の売上収益は8.3パーセントの増収となりました。

収益面では、上期の粗利益率が1.5ポイント改善をしております。一方経費比率は、広告宣伝費や物流費で効率化を進めたものの、売上が計画を下回ったことから、比率としては0.6ポイント上昇しております。

この結果、営業利益は23.3パーセント増となりました。

なお、国内ジーユー事業の既存店売上高が減収となったのは、防寒衣料のアイテム数が少なく、実需を取り込めなかったことによると考えております。ただ、チェック柄、ドット柄といったトレンドのアイテムや、チノボトムス、ハイウエストジーンズなどの商品の販売は、順調に推移いたしました。

【グローバルブランド事業】 上期実績

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最後に、グローバルブランド事業についてご説明をいたします。

売上収益は784億円、前年同期比11.4パーセント増。営業利益は56億円の赤字と、増収減益となりました。

ただし、事業そのものの収益を示す事業利益では、セオリー事業の増益及びJ Brand事業の赤字幅縮小によって計画を上回り、約1割の増益となりました。ここに減損損失を計上したことから、営業利益は赤字となっております。

まずセオリー事業ですが、セオリーブランドとPLSTブランドの売上が好調だったことにより、事業利益が計画を上回り増益となりました。ただし、セオリー事業が2006年に買収したヘルムートラングブランドの業績不振によって、商標権の減損損失10億円を計上したことから、セオリー事業の営業利益は減益となっております。

コントワー・デ・コトニエ事業は、既存店売上高の減収が続き、事業利益が計画を下回り赤字となりました。通期でも事業利益の赤字は継続することが見込まれたことから、この上期で減損損失を77億円計上しております。

【連結】 2018年2月末 B/S

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次に、2018年2月末のバランスシートの説明をさせていただきます。

資産合計は1兆6,215億円と、前年同期末比で2,333億円増加。負債合計は7,867億円と、前年同期末比で1,653億円増加、資本合計は8,347億円と、前年同期末比679億円増加しております。

詳細について、次のスライドでご説明いたします。

【連結】 B/Sのポイント(前年同期末比)

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まず流動資産は、前年同期末比で2,082億円増加しております。現金及び現金同等物が2,787億円増加している影響が大きいです。これは、営業キャッシュ・フローの増加及び3ヶ月超の定期預金の取り崩しによるものです。定期預金を取り崩したことで、その他の短期金融資産は1,632億円減少しております。

たな卸資産は、おもに海外ユニクロ事業の事業拡大に伴い、344億円増加いたしました。

次に、負債は1,653億円増加いたしました。おもなものとして、デリバティブ金融負債が422億円増加しております。これは、保有する一部の為替予約のレートが、2月末の為替レートより円安となったことによります。

【連結】 上期 キャッシュ・フロー

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次に、上期のキャッシュ・フローですが、営業活動によるキャッシュ・フローは2,202億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは251億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは219億円の支出となった結果、2018年2月末における現金及び現金同等物の期末残高は、8,486億円となりました。

【連結】 2018年8月期予想 通期業績

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ここからは、2018年8月期の通期の業績予想についてご説明いたします。

売上収益は2兆1,100億円、前期比13.3パーセント増。事業利益は2,450億円、同33.1パーセント増。営業利益は2,250億円、同27.5パーセント増。金融収益・費用はネットで80億円のマイナス。親会社の所有者に帰属する当期利益は1,300億円、同9パーセント増を見込んでおります。

これは(2018年)1月11日に発表しました直近の業績予想に比べますと、事業利益で400億円、営業利益で250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益で、100億円の増額となっております。

事業利益で400億円増額した要因は、おもに上期の国内ユニクロ事業・海外ユニクロ事業を中心に、業績が大幅に上振れをしたためです。下期の業績予想は、期初計画から変更しておりません。

営業利益は250億円の増額にとどまりましたが、これはその他の収益・費用が通期で200億円のマイナスになることを見込んでいるためです。

その他の収益・費用は、上期では減損損失や為替差損により、マイナス115億円が計上されておりますが、これに加えて下期は中国・米国などの海外ユニクロ事業での店舗閉店に伴う除却損、閉店損など50億円を見込んでおります。

また、足元の為替レートが円高になってきていることから、3月末の為替レート1ドル106円を、2018年8月末の為替レートと想定をして、為替差損約25億円を見込んでおります。

なお、金融収益・費用も為替レートを1ドル106円を前提とし、為替差損80億円をこの予想に織り込んでおります。

2018年8月期 各事業の下期業績予想(1)

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次に、セグメント別の通期の業績予想についてご説明いたします。

海外ユニクロ事業は、下期も引き続き大幅な増収増益を見込んでおります。エリア別では、グレーターチャイナ、東南アジア・オセアニア地区、韓国は引き続き大幅な増収増益となり、業績をけん引する見込みです。北米事業は、赤字が半減することを見込んでおります。

国内ユニクロ事業は、下期は若干の増収増益を見込んでおります。下期の既存店売上高は約2パーセントの増収を予想し、うちEコマースは30パーセントの増収を見込んでおります。

粗利益率は、原価率の上昇によって若干の低下を見込んでおります。

経費は、引き続き広告宣伝費の効率化に加え、在庫水準・商品量の適正化を進めることで、物流費・人件費などの経費削減を進めていく方針です。

2018年8月期 各事業の下期業績予想(2)

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ジーユー事業の下期は、若干の増収増益を見込んでおります。

上期は既存店売上高が減収と、売上収益は計画を下回りましたが、下期は春夏トレンド商品のニュース発信や売れ筋商品の増産体制の強化を図ることで、既存店売上高は若干の増収になることを見込んでおります。

同時に、値引コントロールによる粗利益率の改善を図ることで、営業利益は若干の増益を見込んでおります。グローバルブランド事業の下期は、増収増益を見込んでおります。

セオリー事業は、セオリーブランド・PLSTブランドが引き続き好調な売上トレンドを維持し、下期のセオリー事業は増収増益となる見込みです。

コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業は、下期はほぼ前年並みの業績、J Brand事業は下期は赤字幅が縮小、収益性の改善を見込んでおります。

2018年8月期 配当金予想

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最後に、2018年8月期の1株当たり配当金についてご説明いたします。

本日(2018年4月12日)の取締役会にて、中間配当金を1株当たり200円と決議をいたしました。これは前年に比べ、25円の増配となっております。また、期末の配当金につきましても。1株当たり200円を予想しております。

この結果、年間配当金は1株当たり400円、50円の増配となることを予想しております。

以上で、私からの説明を終わります。ありがとうございました。

グローバルで拡大する ユニクロ事業

若林隆広氏:こんにちは、若林と申します。

あまりこのような場に出てくる機会がなかったもので、ちょっと最初に簡単に自己紹介をさせていただきんですけれども。

入社自体は1993年、今から25年前に入社しております。広島証券取引所に上場する1年前に入社しておりまして、入社後、店舗に配属されて販売員からスタートして店長になるということで、その後も営業に軸足を置いて経験を積んできました。

それに加えて、在庫管理を中心とする広義で言う商品系だったりとか、教育・人事のような、これも広義で言う管理系のような部署を経験したりとか、あるいはグループ事業・海外事業というさまざま経験を経て、今は販売在庫計画を中心に担当をしております。

とくに販売員から始めた経験だったとか、ユニクロのブーム、あるいはブームの終焉。このあたりの営業経験だったりとか、在庫管理を担当した経験。

そして、海外とかグループで経営をやってきたときの経営の立て直しとか、あとは事業の廃止に関わるようなさまざまな経験を経たことが、現在の販売在庫計画の役割を担う上で、すごく役に立っているんじゃないかなと思っております。

このような場に立つのは、実は13~4年ぶりでして、うまく話せるかわかりませんけれども。不慣れではありますが、説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

グローバル経営のポイント

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まず最初に、今日は4点をお話したいんですけれども。

1点目が、経営課題を解決するための「働き方改革」。

2点目が、生産・物流・販売、これらが連動した精緻なグローバルの販売計画。

そして3点目が、グローバル戦略商品のグローバルマーケティング。

そして最後に、リアルとバーチャルの融合。

この4つに関して、お話をさせていただきたいと思います。

1. 経営課題を解決するための“働き方改革”①

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まず最初に、経営課題を解決するための「働き方改革」です。

各国・各エリアの経営チームが、今有明にある本部に集合して、あるいは日々連絡を取りながら、全員がグローバルのことを考える。どのようなチャンスがあるのか、どのような課題があるのかを、販売計画とかマーケティング戦略を練り込んで、グローバルとしての戦略の結論を出して、それを元に世界各国で確実に実行することを始めております。

今までの違いは、いくつかございますが。

1つ目は、今までのヘッドクォーターは、いわゆるグローバルのヘッドクォーターではなくて、不十分でした。実質は、日本事業を中心としたヘッドクォーターだったということです。その転換を今図っているというのが、1つ目です。

2つ目は、やっぱりヘッドクォーターに各機能があるんです。我々は企画・生産・物流・販売のすべてをやっているんですけれども、それぞれが各機能ごとにやっぱり縦割りになっていて、それぞれバトンを送るかのようなリレー方式のビジネスになりかけていた、あるいはなっていた部分があったので、これも最初から最後まで完全に連動する働き方に、変えていく途中です。

我々の強みは、売る人が商品を作っていたりとか、商品を作る人がお客さまに届ける、販売することまで考えてやっていくこと。これが非常に重要だと思ってますので、それを図っていったのが2つ目です。

3つ目は、海外・グループそれぞれ各事業ごとにバラバラだったんですけれども、事業の枠を越えてグローバルで戦略を立案して実行していくということ。そして、最初に申し上げたヘッドクォーター自身もグローバルヘッドクォーターになって、ダイレクションをしたりとか各事業のサポートを強化していく取り組みを、開始しております。これが、このページの補足説明になります。

1. 経営課題を解決するための“働き方改革”②

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(スライドの)写真は、1つの例でしかないんですけれども、(経営課題を解決するために)今までよりも強化して取り組んでいるポイントとしては、商売って刻々と状況が変わっていきますので、その状況において新たに明確になったチャンスとか課題が、常にあるわけです。そういったことに関して、即断即決即実行をする働き方に変えていっています。

具体的に言うと、計画も日々の実績上のチャンスも課題も、こういったものに対して、すべてはっきりと可視化する。はっきりと可視化した上で、経営の全体像だったりとか、具体的なチャンス・課題のすべてを全従業員に共有することからスタートするのが、最初のポイントになろうかなと思います。

その上で、各事業・各機能を越えてワンチームでグローバル戦略を立案・実行していく。加えて言うと、仕事の仕方の変革においてもう1つ重要なのは、店頭の従業員の方々と本部経営陣のコラボレーション。これも非常に重要になってくるということで、こちらの取り組みも今まで以上に強化しているのが、ポイントになろうかなと思います。

その上で、お客さまの要望とか店頭の声もよく重々ふまえて、企画から考えて商品を作って、マーケティングして売り場を作って販売していくんですけれども。そのときに私の担当する商品計画を、生産・物流まで含めて連動していって、計画・実行・修正を繰り返していくことを、グローバルワン・全員経営でやっていっているという風景の、1つの写真でございます。

2. 精緻なグローバル販売計画

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こちらからが、2つ目になりますけれども。これも1つの事例でしか過ぎないんですけれども、精緻なグローバルの販売計画となります。

最初の販売計画、そして日々の修正。それが両方ともとても重要で、それを商品ごと、あるいは色・サイズごと、あるいは事業ごとだったりとか店舗ごと。それぞれで全員経営で、とくに戦略を決めるときには大胆に思い切って決めていく部分と、色・サイズごとだったりとか店舗ごとに、きめ細かくやっていく部分。それをタイムリーに、修正を繰り返しながらやっていく。

そして、冒頭にもあったと思うんですけれども、お客さまのニーズに基づいて商品を作る、運ぶ、届けるということと、無駄なものを作らない、運ばない、売らないということを進めていっております。ようやく、社内のプロセスだったりとか意思決定の質、そして経営の質だったりとか、計画実行の質が徐々に改善しつつある。道半ばなんですけれども、そういう取り組みを進めてます。

結果として、徐々にですが、お客さまの要望に応えていくことが少しずつできるようになって、経営効率……例えば売上だったりとか粗利率、あるいは経費などの経営効率が、徐々に改善しつつある途上かなと思っています。

3. グローバル戦略商品とマーケティング戦略①

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こちらが3つ目になるんですけれども、グローバル戦略商品と、グローバルのマーケティング戦略です。

グローバルで戦えるユニクロの戦略商品、あるいは潜在的な顧客ニーズ。これを「LifeWear」ブランドの観点から深くよく考えて、顧客の意見・要望・店舗の声もふまえて決定して、それをグローバルで売り込んでいくことを、進めていっています。

例えば、ヒートテックの例なんですけれども。ポイントは、世界を見た場合です。市場のポテンシャルに対して、今の供給量とか販売量ですので、その伸びしろはとてつもなく大きくて……その商品の持っている本来の価値、それを情報とともに消費者に届けて顧客を創造していくということに、取り組もうと思っています。

3. グローバル戦略商品とマーケティング戦略②

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次のページ、お願いします。こちらのページも同様でして、やはり我々は「LifeWear」ブランドとして(ユニクロのポジションを)確立していきたいと思っています。それと、こちら(スライドの左下)に書かれているような商品を代表として、本当に顧客が求める本当に良い商品を企画して、開発して、生産して、マーケティングして、販売していくという需要創造をしっかりとやっていって、お客さまの日常の生活に寄り添った「LifeWear」ブランドとして、末永く愛される企業とか商品を作っていくことが、目標となります。

4. リアルとバーチャルの融合①

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次、お願いします。最後の4つ目です。4つ目のリアルとバーチャルの融合なんですけれども、ポイントは店舗とECがシームレスにつながるということなんですけれども。やっぱり、デジタルの強みがあると思います。そして、我々には実際の店舗網を持っている、ユニクロならではの強みもあると思いますので。それを存分に活かして、組み合わせて、その上で一人ひとりの個々のお客さまに、ぴったりの商品だったりとか、商品の情報。

そして例えば、サイズもそうですし、欲しい在庫もそうかもしれません。それを、例えば時間を越えて、お客さまのタイミングで、好きなチャネルで、便利な場所で、便利な決済方法で。そして、接客とかアフターサービスまで含めて、一貫して提供していこうという取り組みになります。

4. リアルとバーチャルの融合②

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次、お願いします。こちらに細かく記載していますけれども、こちらに記載した6つ。コミュニケーションのデジタルシフト。お客さま同士とかユニクロとの、双方向のコミュニケーションによる商品・サービスの進化。そして、パーソナライズだったりとかコンサルティング。そして、ECサイト・アプリを進化・再構築させていって、多様な決済手段……それも店舗・EC融合した購買体験を、実地店舗もある強み・デジタルの強みを活かして、その上で取り組んでいきたいと。

日本国内で、少しずつ実現しつつあると思うんですけれども、これをさらに飛躍的に進化させていって、世界中のお客さまによりご満足いただけるような、新しいブランドにしていこうという取り組みでございます。

4. リアルとバーチャルの融合③

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次、お願いします。こちらは先日リリースさせていただいた、ECオーダーの店舗受取り無料です。これも、利便性向上の1つかなと思っています。

ユニクロのEC事業の中期計画

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次、お願いします。ユニクロのEC事業の中期計画としましては、グローバルで、ユニクロのEC比率を現在の9パーセントから、2022年度に2倍以上にしたいなと。それを目指していきたいと思っていますし。

ユニクロ事業のグローバルでの中期目標

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次、お願いします。ユニクロ事業のグローバルでの中期目標としては、ユニクロの2017年度の売上収益1兆5,400億円を、5年後に2倍にするという目標を掲げて、取り組んでまいりたいと思います。

少し長くなりましたけれども、以上でございます。ありがとうございました。

質疑応答:柳井氏の後継者について

質問者1:よろしくお願いします。冒頭に柳井さんがおっしゃっておられた話に関して、おうかがいいたします。経営人材が育ってきたことについて、ある程度の手応えを感じておられるという趣旨の発言をしておられました。まだまだお元気でお仕事を続けられると思うんですけれども、後継の方に決定権も含めて譲るタイミングが近づいているとしたら、それはいつ頃になるのでしょうか? お伺いして大丈夫でしょうか?

柳井:私は、引退するつもりはありません。と言うのが、創業者なので、一生関わり合いたいと思っています。ただし、やっぱり人間ですから、老齢化するにつれて体力・精神力は衰えていくと思ってますので。いつとは言えませんけど、「これが限界だな」というときに、いつでもスムーズに交代できる体制だけは、作っておきたいと思っています。今も、かなりそういう体制になっていると思います。そういう答えでいいでしょうか?

質問者1:もう1点お願いいたします。(後継については)いつというタイミングではなくて、いずれそういうときがきたときのための準備とおっしゃっておられましたけれども。ファーストリテイリングは、今期2兆円を超える売上収益を計画されていて、非常に大きな会社です。

そういった会社で、柳井さんの跡を継いで経営を担っていかれる方に求められる、最も大事な資質は何なのかを教えてください。

柳井:私は、経営は常識的なこと……人間で言ったら、普遍的な価値みたいなものだと思うんです。私は、よく「真善美」と言うんですけど。人間的な普遍的な価値に関して、理解できる人。それとやっぱり、全員から支持してもらわないといけないので、その支持が受けられる人。そして、最終的に決断しないといけないので、決断できる勇気を持っている人。そういう人なんじゃないかなと思います。

質問者1:ありがとうございます。

質疑応答:「ZOZOSUIT」のような取り組みは考えている?

質問者2:柳井会長兼社長におうかがいしたいんですけれども。ユニクロ事業の売上ですが、海外が半期でも国内を超えるという(ことで、これは)海外事業に力を入れていくグループの戦略の中で、大きな一歩のひとつだと思うんですけれども。これの受け止めと、今後の期待……「これを、もっとどのようにしていく」というところを、お聞かせいただければと思います。

柳井:冒頭でも申し上げたんですけれども。私は歳をとってるんですけど(笑)、(今が)人生で一番ワクワクしてる。と言うのが、ようやくアジアの時代がきたなと。今まではヨーロッパ・米国、いわゆる西欧の国です。それで、近代になって初めて、アジア40億人の人々が中産階級に変わっていく。

アジアは今まで、生産基地であると同時に販売基地。そこで我々はしっかりしたプラットフォームを持ってて、しかもヨーロッパに関しても、世界の大都市でありますパリ・ロンドン・ニューヨークでフラッグシップストアを持ってて、ヨーロッパでも事業をやってて、米国でも事業をやってる。

そういった状況で、我々の服が理解され始めて、ブランドとしてかなり確立されてきたので。可能性としては、僕は世界の人口全部に、我々の商品が受け入れられると思ってるので。そういう可能性を、今実感している最中です。

質問者2:あともう1件、別の質問なんですけれども。ECを拡大されていこうとお考えになってらっしゃると思うんですけれども、採寸が必要な商品に対しては、ZOZOTOWNが「ZOZOSUIT」を展開しようとしていますけれども。御社で採寸が必要な商品のECに、今後どう取り組んでいくおつもりなのかをお聞かせください。

柳井:ZOZOTOWNの、そういった「ZOZOSUIT」も良いんですけど。我々は別の方法で……まだ発表はできないんですけど。より簡単に、例えばスマートフォンとか、あるいは店舗に来てもらって瞬間的に採寸する方法を、今鋭意研究中であります。

質問者2:いつか発表されるというところですか?

柳井:そうなると思います。

質疑応答:国内ユニクロ・ジーユーの収益性改善要因は?

質問者3:本日はありがとうございます。岡﨑執行役員にお聞きしたいんですが、国内ユニクロ事業・ジーユーともに、非常に物流費が改善されたことで、収益性も良くなったということでした。具体的に、どういったことが改善されたんでしょうか?

岡﨑:2つ、要因があると思うんですけれども。1つは、物量そのもののコントロールをうまくできるようになったところが、非常に大きな改善点です。前年はサプライチェーン全体のコントロールの精度が低くて、不要に倉庫在庫を持ってしまってスペースが必要になったりとか、(在庫を)出したり引いたりみたいな不要な動きがあったりと、そういう無駄が非常に多かったんです。しかし、物量のコントロールをすることによって、そこが大きく改善することができたのが、1つのポイントだと思います。

もう1つは、倉庫を自分たちで運営することに、ここ数年取り組んでおりまして。当然これは習熟が必要なので、(その)学習効果が出てきたということだと思っています。倉庫の生産性を、かなり改善することができるようになってきた。このあたりが、進化してきたところかなと手応えを感じているということです。

質疑応答:柳井氏から見た、若林氏について

質問者4:ありがとうございました。2点、おうかがいさせてください。まず1点目なんですけれども、今期は「海外ユニクロ事業が、売上高では国内事業を抜く」とうかがっているんですけれども、営業利益でも抜くとお考えでしょうか?

2点目、お願いいたします。先ほど、若林さんから非常に印象的なプレゼンをいただいたんですけれども。社長から後継者に期待する条件というお話もいただきましたが、若林さんのことは、どのように評価されていらっしゃいますか?(笑)。教えてください。

岡﨑:1点目の営業利益について、今期に抜けるかどうかわかりませんが、粛々と進めていけば、来年度ぐらいにはそういうタイミングになるんじゃないのかなと、今のところ考えております。

柳井:(2点目の若林氏については)今も期待してますし、今後も期待してます。彼は本当に順調に成長してきましたし、世界中の商売、あるいは商品のことについて見識を持ってるので、将来的にも今まで以上に期待することが可能なんじゃないかなと思っています。

質疑応答:ユニクロの売上収益3兆円達成のポイント

質問者5:日本経済新聞のハラです。2点お願いしたいんですけれども。1点目は、(2022年に、ユニクロ事業の売上収益を)3兆円にするという大きな目標を掲げる中で、今は1兆円ちょっとということでした。この現状をどう見ていらっしゃっていて、3兆円(の目標達成)に向けて、なにが必要だとお考えでしょうか?

柳井:僕は、あと数年で確実に3兆円までいけると思っているんで。むしろ3兆円以降、どうやっていくかが問題で。そのときに、さっき言ったように、今までの体制ではそれはできないんで。本当のグローバルカンパニー(になる)。それともう1つは、商品と顧客サービスで本当に差別化できる、グローバルで受けられる、そういう企業になるということだと思います。

質問者5:もう1点が、昨年から本格的に情報製造小売業に向けて、有明プロジェクトをやっていらっしゃいますけれども。やはり1年たって、生みの苦しみを含めて、いろいろ失敗と経験を積んでいらっしゃると思うんですけれども。現状を含めた分析をしていただきつつ、今後の道筋として、なにをポイントとしてやっていかれるかを教えてください。

柳井:生みの苦しみは、ほとんどないです。というのが、僕自身は、ビジネス自体は簡単なものじゃないと考えているので。やっぱり、新しいことに変革していくということは、苦しいことを楽しんでいくという、そういう精神。それと、自分から変わることにおいて、世の中が変わっていく。そういったことだと考えていますし。さっきお話ししたように、むしろワクワクしているということと。

反対に、我々のように、過去に成功体験があるところに関しては、意識を大幅に変えてもらわないと、過去の成功体験のそのままでは、将来は成功しないので。我々が、過去に成功し続けた。これは、失敗の連続でもあるんですけれども。過去の成功体験を本当によく考えて、意識を変えていって、それぞれの規模と業態を変革していった。そこにあると考えています。

質疑応答:EC化率の目標達成に向けた課題

質問者6:朝日新聞のタカハシです。ECについて、おうかがいしたいんですけれども。EC化率が6.2パーセントから7.5パーセントに、今回は上がったということですけれども。こちらについて、柳井さんはどういうふうに現状を見られているのか。

あと、今後は(EC化率の)30パーセントを目標として掲げられていますが、これに到達するのはいつごろと、現在見ていらっしゃるのか。そして到達するためには、今なにをやっていかなければいけないのか、今はなにが欠けているのかを教えてください。

柳井:我々は、リアルな店舗からデジタル技術を使って……これは、ECをやるだけじゃなしに、もし本当にEC化しようと思ったら、デジタルな会社に変わらないといけない。それは、お客さま中心の情報伝達および情報評価みたいなこと、これを商品と同時に届けるという、そういう業態に変わっていくと思っているんで。会社がそのように変われば自然に、私は(EC化率は)30パーセントに到達すると思っていますし、グローバルでそれを実際にやっているところは、ないと思います。

というのが、例えば、AmazonなんかはGMSなんで。我々は、商品の顧客ニーズから、企画から、生産から、物流販売まで、全部をやっていくということなんで。働き方自体を、全部デジタルに応じて変えていくという、そういう会社なんで。たぶん、世界にも例がないんじゃないかなと思っています。ということなんで、30パーセント(の達成)が何年後かは言えませんが、確実に、as soon as possibleで(笑)、変えたいと思っています。

質疑応答:世界情勢経済をどう受け止めている?

質問者7:毎日新聞のイマムラと申します。本日はありがとうございます。今のお話にも少し絡むんですが、リアルとバーチャルの(店舗の)融合が進んでいくと思うんですけれども。Amazonなどのネットに対して(御社の)実店舗は強みですが、より強みを活かすために、なにができるかをお聞かせください。

あと、もう1つの質問として、世界情勢が不安定化していて、保護主義が台頭してきています。トランプ政権とか日中米関係などを含めた、世界情勢経済の受け止めをお聞かせください。

柳井:やっぱり店舗の強みというのは、その場で商品を全部確認ができることです。(一方で)バーチャルだと、材質とかシルエットとか、やっぱり全部のことの確認は不可能です。だから、やっぱり店舗とバーチャルが融合して、お互いで確認できることが、僕は一番なんじゃないかなと思います。

中国なんかがいい例だと思うんですけれど、今はO2O……オンラインからオフラインへ。我々は反対に、オフラインからオンラインへという(笑)、そういう流れなんで。目指しているところは、たぶん一緒なんじゃないかなと思います。

それと、世界の保護主義。これは、非常に危惧するところです。やっぱり自分の国だけが、1国だけで存在することは不可能ですよね。僕が「Global is Local, Local is Global」と言うように、やっぱりその国とその周辺の国、あるいはそこと関わり合いのある国が、平和的に共存共栄する。「なんとかファースト」ということは、ありえないと思います。

記事提供:ログミーファイナンス

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