ママ友同士のトラブルを題材にしたドラマや漫画を見て、「私やっていけるかな」と不安に感じたことはありませんか? 学生時代に構築してきた友人関係とは違い、ママ友は年齢もバラバラ。考え方が正反対の人に出会うこともあるでしょう。
今回は、「そもそもママ友とは仲良くするべきなのか」というテーマで、ママ友との距離感について考えてみましょう。
ママ友との距離っていつから意識する?
ママ友との距離感について真剣に悩み始めるのは、子どもが保育園や幼稚園に入園してからではないでしょうか。園が違えば適度な距離を保てるものの、同じ園のママともなると「関係をこじらせたら子どもまで仲間はずれにされるのでは?」と不安になることもあるでしょう。特に学区が同じ場合、小学校も一緒になるかもしれません。
しかし、小学生になると「子ども同士は仲が良いけれど、ママ同士は必要最低限の連絡をする以外まったく交流がない」というケースもよくあります。違う学区の子が多い園を選んで、よほど気が合う人以外は小学校入学までの期間限定の付き合いと考えるママもいるようです。
園によって差が出るママ友同士の距離感
現役ママに「ママ友付き合いって面倒?」と聞くと、多くの人が「園によって雰囲気が全然違うよ」と教えてくれます。送迎のときに挨拶する程度の関わりしかない園もあれば、登園後や休日も積極的に交流するママの多い園、必ず何かの保護者会活動に参加しなければならない園など、園それぞれのスタイルがあるようです。
「保育園は働いているママばかりだから関わり合いも薄い、幼稚園は専業主婦のママも多くて人間関係が大変」という話を耳にする方も多いのではないでしょうか。しかし、女性の社会進出が進んでいる現代、幼稚園ママにも働いている人はたくさんいます。園を選ぶときの判断材料になりそうですね。
ママ友付き合いが苦手…子どもはかわいそうなの?
こんな葛藤を抱えているママがいました。
「ママ友たちとSNSでつながっていますが、私以外のみんなが集まっている投稿を見てしまって複雑です。子どもたちの楽しそうな写真もアップされていて…私がもっと上手にママ友付き合いができていれば、我が子もこの場にいて楽しい思いができたのかなぁと思うと申し訳ない気持ちになります」
このモヤモヤに共感するママは多いかもしれませんね。子どもがある程度の年齢になると、園で「昨日○○くんたちと遊んだ」と先生やお友達に話すこともあるでしょう。そのことで、我が子が疎外感を感じるかもしれません。しかし、その気持ちを消化しながら友達との人間関係を構築していくことも、子どもの人生において大切な学びかもしれません。
子どもの味方でいるということ
幼児期の子どもは、大人が思っているよりも器用に友達付き合いをすることも多いものです。ケンカをしたと思えば、数分後にはあっさり仲直りして遊んでいるということもあるでしょう。保育園や幼稚園では、保育士の先生方がケンカのフォローもしてくれます。
自分がママ友と良い関係を築いて、子どもが悲しい思いをしないようにしてあげたい。それは多くのママが願うことです。しかし、先回りして不安の芽をすべてつむことが子どもにとってベストとは限りません。
それよりも、ママが愛情たっぷりに接してあげることで「ママはいつもあなたの味方だよ、辛いことがあっても安心して帰ってきてね」と伝えてあげることが大切なのではないでしょうか。
仲良くしたいのは本当に子どものため?
ママ友とは、極端に言うと“ママの友だち”ではありません。“我が子の友だちのママ”であって、その境界線が曖昧になると苦しさを感じるかもしれませんね。
子育て中は、多くのママが孤独や不安を感じています。だからこそ、仲の良いママができると嬉しく感じることもあるでしょう。子どものためというもっともらしい理由で、本当はママ友グループの輪に入りたいのはママのほうかもしれません。
もちろん、それは悪いことではありません。しかし、先ほどご紹介したママのように、誘った誘わないでモヤモヤするタイプの性格だったり、トラブルが起こったときに冷静に対応する自信がなかったりする場合は、最初からママ友とは適度に距離を保つと決めておくこともひとつの手です。
きちんと笑顔で挨拶をしていれば、プライベートで交流しなくても「あのママ感じ悪い」と言われることはそうないでしょう。
まとめ
ママ友との距離=子ども同士の距離とは限りません。小学生になると親同士の交流がグンと減るのは、ママ同士の関係と子ども同士の関係を切り離して考えられるからではないでしょうか。幼児期はどうしても、子どもを守ろうという気持ちが先走ってしまうのです。ママ友との距離感で悩むのも幼児期ならではと考えると、少し貴重な時間に思えてきませんか?
桜井 まどか