2024年3月29日に帝国データバンクが発表した価格改定動向調査資料によると、同年4月から食品2806品目が値上げとなります。
また政府が実施している電気代・ガス代の支援策は5月使用分で終了。今後、家計の負担がさらに増加することが懸念されます。
2024年度の公的年金は前年度比+2.7%となりますが、そもそも物価上昇率を下回ることに加え、モノやサービスが容赦なく上昇し続ける中では、年金額は大幅な目減りといえるでしょう。
では、すでにリタイアした世代は、年金を月々いくら受け取っているのでしょうか。
本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
年金事情を眺めながら、老後対策として「何をすべきか?」を考えていきましょう。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みをおさらい
日本の公的年金制度は「国民皆年金」であり、20歳以上の全ての人が加入する「国民年金」と、会社員などが加入する「厚生年金」による「2階建て」の構造になっています。
公的年金制度については詳しく学ぶ機会があまりないため、仕組みがよくわからないまま毎月の保険料を納めている人も少なくないでしょう。
そのため、簡単に公的年金制度の仕組みをおさらいしておきます。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入する年金が異なります。
では、今のシニア世代は年金をどれくらい受給しているのでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を確認しましょう。