2024年に入ってから、厚生労働省では国民年金保険料の納付期間を「現行の20歳から60歳までの40年間」から「20歳から65歳までの45年間」に延長する案について議論がなされています。
この案が通れば保険料の負担は増えますが、将来受け取る年金額の水準が低下するのを抑制する効果があるのでは?と期待する声も多いようです。
確かに、最近は「年金=受け取れる金額が少なくて生活に困る」などネガティブなイメージもあるため、少しでも年金額が増えるのであれば良いなと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところ今のシニアが受け取っている年金額はそんなに老後の生活に強い不安を感じるほど少ないものなのでしょうか。
今回は、いまのシニアが受け取っている年金受給額を参考に見ていきながら、私たち現役世代に必要な老後資金対策について考えていきたいと思います。
1. 「国民年金&厚生年金」の仕組みをおさらい
年金は、加入する種類によって年金額が大きく異なるため、基本的な仕組みはおさえておくようにしましょう。
日本の公的年金制度は2階建ての構造となります。
国民年金のみの方と、国民年金に加えて厚生年金に加入する方がいます。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入する年金が異なります。
年金額の決定方法も違うため、受給差に個人差があることを覚えておきましょう。
2. 2024年「年金支給日」カレンダーで年金支給日をチェック
公的年金は2ヶ月に1度、偶数月の15日(土日・祝祭日の場合は直前の平日)が支給日となります。
支給日に、前々月と前月分がまとめて支給されます。
年金支給日:支給対象月
- 2024年4月15日(月):2024年2月分・2024年3月分
- 2024年6月14日(金):2024年4月分・2024年5月分
- 2024年8月15日(木):2024年6月分・2024年7月分
- 2024年10月15日(火):2024年8月分・2024年9月分
- 2024年12月13日(金):2024年10月分・2024年11月分
現役時代の給与は毎月振り込まれますが、年金は2ヶ月分がまとめて振り込まれます。
勘違いして使い切ってしまうことのないように、毎月の家計管理でうまく調整しましょう。