4. 玄関の後悔4. 玄関の入口に段差がある
「玄関の入口に段差があるので、将来親と同居したり自分たちが高齢になったりすることを考えてスロープを付けておけば良かったです」(埼玉県 40歳代)
建築基準法第22条において、最下階の居室の床が木造である場合には、床の高さは直下の地面から床の上面まで45cm以上とすることとなっています。(ただし床下をコンクリート等で覆った場合等の例外あり)
そのため、玄関の入口には地面との段差が生じてしまうことが一般的です。
しかし将来の使い勝手を考えると、敷地に余裕があればスロープを設置しておくと安心でしょう。
5. 玄関の後悔5. 玄関近くに浴室がない
「購入時には特に気にならなかったが、玄関近くに浴室がないためペットを飼うようになって散歩から帰ってもすぐに足を洗えないことが不便です」(和歌山県 50歳代)
玄関近くに浴室があると、ペットの散歩帰りに足洗いに利用したり、子供が外で泥遊びや激しい運動をした際にすぐにシャワーを浴びることができたりするメリットがあります。
しかし前述したようなデメリットもあるので、犬を室内で飼っている場合には散歩帰りに足を洗えるように、庭の玄関近くに足洗い場を設置しておくという方法もあります。
6. 玄関の後悔6. 玄関と子供部屋が近い
「玄関と子供部屋が近いので、子供が帰宅後にすぐに部屋にこもってしまって家族の会話が減ってしまった」(埼玉県 40歳代)
玄関近くに子供部屋を設置すると、どうしても子供と家族とのコミュニケーションが不足してしまう原因になってしまいがちです。
したがって、子供部屋はできるだけ家族とのコミュニケーションが密になる場所に配置することをお奨めします。
7. 玄関のプランニングを行う上での注意点
玄関をプランニングする際には前述した後悔事例を参考に、以下の点に注意することが大切です。
7.1 玄関の位置
玄関をレイアウトする際には、トイレや洗面所、浴室、各居室までの動線が重要なポイントになります。
来客がそれほど多くはなく、帰宅後にすぐに手を洗ってからリビングに行く習慣があるのであれば、玄関ホールと洗面所や浴室、トイレが面していても必ずしも良くないとはいえません。
各家庭の生活スタイルに合わせて配置計画を行うと良いでしょう。
7.2 玄関の大きさ
玄関の大きさを考える上では、家の大きさや家族の人数を考慮した上で最適な広さを確保することが大切です。
30坪前後の住宅であれば最低でも2畳(1坪)程度は必要で、被介護者や車椅子の利用者がいる場合には4.5畳程度が理想といえます。
またベビーカーや子供の遊び道具、ゴルフバック、キャンプ用品といった収納するものの量を考慮して、余裕をもった収納スペースを玄関内に確保できるようにしましょう。
7.3 玄関までのアプローチ
家族に高齢の方がいたり、老後も安心して暮らせるようにしたかったりするのであれば、玄関までのアプローチにスロープを設置しておくと良いでしょう。
また併せて手摺も設置しておくと安心です。
さらにスロープはベビーカーや自転車などを玄関内に入れたい時にも役に立ちます。
8. まとめにかえて
玄関は訪問してきたお客様が最初に目にする場所なので、家の印象を左右する場所であるといえます。
さらに玄関は、住まいの中ではリビングと同じように家族全員が利用する機会が多いので、自分たちが帰宅して最初に何をするのか、玄関にはどんなものを収納するのか等を考えて、収納スペースや各部屋への動線を考えることが大切です。
また玄関は実際に住んでみると不満が生じやすい場所でもあるので、適切な広さやレイアウト等を十分に検討した上で、プランニングを行うことが必要になります。
参考資料
亀田 融