2018年3月22日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社山王2018年7月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料
スピーカー:株式会社山王 代表取締役社長 鈴木啓治 氏
平成30年7月期2Qハイライト
鈴木啓治氏:第60期(平成30年7月期)も半年がたちましたが、産業機器分野でのIoT化の進展による部品需要や高速伝送に対応した新製品、自動運転など自動車の電子化に伴う部品など、おかげさまで多くのご注文をいただいております。
平成30年7月期2Q決算概要
この第2四半期は二ケタの増収となり、前年同期比で増収増益を達成することができました。工場では納期対応に忙しい状況が続いていますが、車載向けをはじめ、産業機器向けや民生品向けなど、製品構成にも受注の幅が出てまいりました。
二ケタ増収で人件費・物流費増だが利益率が改善
それにより、通信関係以外の製品の構成比率が増加いたしまして、結果として原価率の低減と、営業利益の増加につながりました。受注の増加により稼働率が上がりまして、売上増収となり、原価率が改善しつつあります。
稼働率の向上のため、人員増強などの対応を進めております。また、物流増に伴いまして、販売管理費が増加しております。
四半期売上推移:安定成長基調へ
四半期ごとに売上を見てみますと、順調に回復してきております。最近は、スマートフォン部品の受注に左右されない事業構造へと進化してきておりまして、過去のようなスマートフォンの急激な生産調整の影響が、緩和されております。
用途別売上構成の推移(国内)
用途別の売上構成比率としましては、通信関係の比率が下がっており、産業機器関連が増加しております。また、ゲーム機向けの受注などもあって遊技の割合も増加しており、多様化が進んでおります。
地域別業績動向:国内が黒字化
国内は、2年連続で二ケタの増収となり、黒字化を達成しております。
中国は、環境規制の強化による日本品質への評価が向上しているのと合わせて、積極的な営業活動が奏功して増収となり、収益性が改善しております。
また、フィリピンは一部(製造)工程に歩留まり低下が発生しまして、収益性が低下しました。受注は、引き続き堅調に推移しております。
平成30年7月期下半期の事業環境:引き続き良好
足元の状況としましては、受注が堅調に回復しております。安定した受注の確保に繋がる車載関連の受注対応などに向けて、生産ラインの改造を行っており、受注の拡大を図ってまいります。
平成30年7月期 業績見通し
上半期の勢いをそのまま継続して、通期におきましても期初予定どおりの増収増益を見込んでおります。
通期では、当初予想した連結売上高の78億円を確保できる見通しです。営業利益は9,000万円、経常利益は5,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,500万円の予想を据え置いております。
好転する事業環境:めっき需要は拡大見込み
さらに、中長期的な市場の動向としましては、通信分野でも高速通信が進んでおり、多機能化した家電の販売も好調です。また、自動車の自動運転化に関する研究開発や、安全運転サポートの機器、ドライブレコーダーなど、自動車関連の電子化に関しての機器需要も膨らんできております。
これらにはめっき加工が欠かせないため、めっき需要は今後も安定的に成長が見込まれる状況となっております。
国内の生産体制強化は順調に進捗
こうした市場に対応していくために、設備面の増強も計画に沿って進めております。こちらの(スライドの左側にある)福島県の郡山市の東北工場に新設備を導入するなど、多様化する受注に対応するために、生産体制の強化を進めております。
当社「新規要素技術開発」の概要
創業来培ってきためっき加工技術を応用して、東工大・産業技術総合研究所の技術的ご支援のもと、銀めっきアクリル粒子の事業化に向けた評価と、水素透過膜の開発を進めてまいりました。
銀めっきアクリル粒子・水素透過膜ともに、当社のコア技術であるめっき技術を応用したものであり、展示会出展の際には、お問い合わせや引き合いを多くいただいております。
実用化へ向けた進捗:「試作・適用評価」 進行中
実用化に向けて、順調に試作・(適用)評価が進んでおります。新規事業を含めまして、多様化する市場のニーズやお客さまのご要望に応えられますよう、引き続き努めてまいります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。