2024年4月4日、連合は2024年春季労使交渉(春闘)における回答の第3回集計結果を公表。
組合員数300人未満の中小組合では基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率が平均4.69%をマークするなど、過去の最終集計と比べると1992年以来の高水準となりました。
世間一般で平均給与が上昇しているとはいえ、やはり年収アップにはキャリアチェンジや昇進が不可欠。課長や部長など「中間管理職」への昇進を目指す人も少なくないかもしれません。
責任や業務量など追加される分だけ対価も弾むのでは……という思いがあるのと同様に、自分自身の夢や希望を優先したいという気持ちから非正規雇用を選ぶ人もいるようです。
今回は、給与の金額差に注目! 正社員と非正規雇用の平均給与の差を統計から確認していきましょう。
記事の後半では「部長・課長・係長」といった中間管理職の給与事情についてもチェックしていきます。
1. 30年ぶりの水準賃上げが実現! 実質賃金の伸び率は?
日本労働組合総連合会(連合)の発表によると、2015年以来、最高の引上げとなった様子。物価高による賃上げへの期待が高まった点と、企業が人材を確保したい企業の思惑も重なった結果といえるでしょう。
時系列でみると給与や賃金は伸長しているといえますが、これにより生活面の余裕はできるのでしょうか。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査(確報)」では、2023年12月の実質賃金はプラス0.8%という結果でした。
そもそも実質賃金とは、労働者の購買力を示す指標のこと。労働者が雇用主から受け取る賃金の金額そのものを指す「名目賃金」から、消費者物価指数に基づいた物価変動の影響を加味して算出されます。
そんな実質賃金は今年8月だけでなく、17ヵ月連続でマイナスという結果が出ています。賃金は上がっていても、物価高騰に追いついていない状況が続いている面もあるようです。
結果だけみると、いわゆる「賃金水準が物価高に追いつかず、家計が圧迫されている」という状態がうかがえます。
次の章からは、賃金や給与などについて「雇用形態別」に生じる給与差をみていきましょう。