2. 2024年度から健康保険料が引き上げに?保険料率を都道府県ごとに確認
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、「令和6年度の健康保険料率」を公表しました。
協会けんぽとは、主に中小企業で働く労働者や、その家族が加入する「公的な健康保険」であり、会社員として働いている方は4月納付分から影響が出ると考えられます。
協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なるため、地域によって保険料率が高くなったところや、反対に低くなったところもあります。
なお、2024年度において保険料率を据え置いた都道府県は「神奈川県」のみであり、2023年度と同様10.02%となっています。
本章では、2024年度の協会けんぽの保険料率を都道府県ごとに確認していきましょう。
2.1 2024年度の健康保険料率が上がる都道府県24選
全国健康保険協会(協会けんぽ)の公表した資料によると、2024年度の健康保険料率が上がる都道府県は下記のとおりです。
【2024年度の健康保険料率が上がる都道府県】
- 福島県
- 群馬県
- 新潟県
- 富山県
- 石川県
- 福井県
- 山梨県
- 長野県
- 岐阜県
- 静岡県
- 愛知県
- 三重県
- 滋賀県
- 京都府
- 大阪府
- 兵庫県
- 奈良県
- 和歌山県
- 広島県
- 山口県
- 香川県
- 愛媛県
- 大分県
- 宮崎県
たとえば大阪府の場合、2023年度の保険料率は10.29%だったのに対して、2024年度からは10.34%となり0.05%増加する予定です。
特に石川県や山梨県では、他の地域と比較して増加率が高く、それぞれ0.28%、0.27%の増加となります。
2.2 2024年度の健康保険料率が下がる都道府県22選
全国健康保険協会(協会けんぽ)の公表した資料によると、2024年度の健康保険料率が下がる都道府県は下記のとおりです。
【2024年度の健康保険料率が下がる都道府県】
- 北海道
- 青森県
- 岩手県
- 宮城県
- 秋田県
- 山形県
- 茨城県
- 栃木県
- 埼玉県
- 千葉県
- 東京都
- 鳥取県
- 島根県
- 岡山県
- 徳島県
- 高知県
- 福岡県
- 佐賀県
- 長崎県
- 熊本県
- 鹿児島県
- 沖縄県
たとえば東京都の場合、2023年度の保険料率は10.00%だったのに対して、2024年度からは9.98%となり0.02%引き下げとなる予定です。
特に青森県や沖縄県では、他の地域と比較して0.3%、0.37%の引き下げとなるため、多くの世帯で保険料の負担が軽くなることがうかがえます。
健康保険料の改定は3月ですが、4月納付分から変わるため、意識して給与明細を確認しておけると良いでしょう。
3. フリーランスや自営業者の健康保険料も増加傾向に
協会けんぽは、主に中小企業で働く労働者が対象の公的保険のため、フリーランスや自営業者にとっては「関係ないこと」と感じるかもしれません。
しかし、健康保険料は協会けんぽだけでなく他の保険者でも上昇傾向にあり、フリーランスや自営業者が加入する国民健康保険も保険料率が増加しています。
実際に、厚生労働省保険局の「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」による国民健康保険料(税)賦課(課税)限度額の推移では、平成12年と比較して現在のほうが大幅に引上げされていることがわかります。
このように、健康保険料以外にも、社会保険料全体で負担割合は増加傾向にあるのが現状です。
4. 自身の給与から天引きされているお金に目を向けよう
本記事では、2024年度から改定される健康保険料の内容について、都道府県別に紹介していきました。
協会けんぽの各都道府県の健康保険料の改定は3月からですが、4月納付分からの変更であるため、4月の給与からどのくらい手取り額が変わっているか確認しておけると良いです。
保険料は定期的に改定がされているため、給与から天引きされる額が知らないうちに増えているというケースも少なくありません。
保険料の改定時期といった情報を知っているだけでも、自身の給与事情に目を向ける機会になるため、まずは天引き内容の確認から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 全国健康保険協会「令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
- 厚生労働省保険局「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「個人の方に係る復興特別所得税のあらまし」
- 財務省「Q&A ~身近な税について調べる~」
- 日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)」
- 厚生労働省「令和6年度の雇用保険料率について」
太田 彩子