2. 【学費一覧表】公立小学校は1年生と5・6年生の学費が高い傾向に?

6年間を通じて学費に差はあるのでしょうか。同調査から、公立小学校の1年生~6年生の学習費を一覧表にしました。

2.1 <公立小学校でかかる年間の費用>

令和3年度子供の学習費調査

令和3年度子供の学習費調査

出所:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 第1学年…37万9539円(12万7375円、3万9478円、21万2686円)
  • 第2学年…28万3211円(4万2235円、3万8689円、20万2287円)
  • 第3学年…31万5794円(4万7354円、3万8202円、23万238円)
  • 第4学年…32万9198円(4万5182円、3万8967円、24万5049円)
  • 第5学年…38万774円(5万5170円、3万8953円、28万6651円)
  • 第6学年…42万3506円(7万9737円、3万9751円、30万4018円)

※()内は学校教育費、学校給食費、学校外活動費の順

各学年ごとに見てみると、学校教育費は1年生が最も高くなります。

これは、入学時に必要な体操服や鍵盤ハーモニカ、絵の具セットなどの学用品が必要になるためです。次に多いのは、卒業を控えた6年生で、この場合は修学旅行や卒業アルバムなどの費用がかさむことが原因と考えられます。

一方、給食費はどの学年もほぼ同じ額ですが、学校外活動費は学年が進むにつれて増加しています。

これは、高学年になると中学受験を控える子どもが増えることから、学習塾などの費用が増加していると考えられます。

同じ小学生でも、学年ごとにお金の使い方や負担が異なるのがポイントです。

3. 子どもの教育資金をサポートする施策

ここからは、子どもにかかる教育資金をサポートする施策をご紹介していきます。

3.1 児童手当

現行の児童手当の支給額は「3歳未満が一律1万5000円」「3歳以上〜中学卒業まで1万円、ただし、第3子以降は1万5000円」と定められていましたが、今後、第3子以降は3万円と倍増で支給される予定です。

また、2023年8月末に公表された「こども家庭庁『令和6年度予算概算要求の概要』」において「児童手当の所得制限の撤廃」が明記されたことから、今後は所得にかかわらず児童手当を受け取れるようになります。

3.2 高等教育費の負担軽減

高等教育費の負担軽減については「授業料減免(高等教育の無償化)の拡大」「子育て期の貸与型奨学金の返済負担の緩和」「授業料後払い制度の抜本拡充」が議論されています。

これまでこのような施策は、主に低所得世帯の学生に限定されてきました。

今後は高等教育を受ける機会を平等化するためにも、支援対象のさらなる拡大や負担軽減が求められます。

3.3 出産等の経済的負担の軽減

出産育児一時金を42万円から50万円まで大幅に引上げし、2026年度から、出産費用の保険適用などを進めることが明らかになりました。

少子高齢化が進む日本では、出生率の増加にはますます力を入れていかなければなりません。

今後も出産などの経済的負担の軽減については、議論が加速していくと思われます。

3.4 子育て世帯への住宅支援

子育て世帯に対し「子育て世帯が優先的に入居できる住宅」を今後10年間で計30万戸用意するとし、フラット35の金利を子どもの数に応じて優遇されるとのことです。

これからマイホームを考えている人にとっては嬉しい施策となりそうです。

一方で物価上昇のあおりを受けて、住宅や土地の価格も上昇しています。現役世代のうちから十分な貯蓄を個人で備えておかなければならない点は、今後も変わらないでしょう。

4. まとめにかえて

今回は小学校6年間にかかる学費とあわせて、子どもたちの生活を支援する施策について紹介してきました。

物価上昇が加速している日本では、教育費や住宅購入費用など、現役世代から備えておかなければならない資金が数多く存在します。

また、小学校の学費は毎月の家計から捻出する家庭が多いでしょう。公立と私立、どちらの小学校に通うとしても、どのくらいの費用がかかるのか事前に把握しておくことは大切です。

子育て支援については自治体ごとに異なる点もあるため、お住まいの自治体がどのようなサポートを実施しているのかも知っておくと安心です。

参考資料

中本 智恵