3. 6月は定額減税が始まるので注意

定額減税は、原則として公的年金の源泉徴収分から控除する流れになります。

定額減税の流れや、確定申告の必要性があるか確認しましょう。

3.1 定額減税の流れ

6月の源泉徴収分から減税しきれない分は、8月、10月、12月の源泉徴収分から控除します。

たとえば、所得税を3万円減税する人の場合、6月の源泉徴収が3万円だと、所得税で3万円を差し引きます。

その後は、所得税の減税は行われません。

6月の源泉徴収が1万円だと、所得税で1万円を差し引きます。

その後は、8月と10月、12月の源泉徴収分から所得税を減税していきます。

一方、住民税も年金から天引きする流れです。

そのため、基本的には確定申告の必要はありません。

しかし、確定申告が必要な場合もあります。

確定申告が必要なケースについて確認しましょう。

3.2 確定申告が必要なケース

確定申告が必要なケースは、以下の2パターンに当てはまる場合です。

  • 公的年金と給与をそれぞれ受け取っている場合
  • 扶養親族が変わった場合

公的年金と給与をそれぞれ受け取っている場合、確定申告が必要です。

年金と給与をそれぞれ受け取っている場合、それぞれ定額減税が適用されてしまいます。

そのため、年金と給与の定額減税を調整する必要があるので、2025年の確定申告が必要です。

また、扶養親族が増えた場合も確定申告が必要です。

定額減税は1人あたり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が減税されます。

また、扶養親族がいる場合は、減税額がそれぞれ加算されます。

もし扶養親族が1人いる場合は、本人の分と合わせて、減税額は以下の通りになります。

  • 所得税:6万円
  • 住民税:2万円

6月に減税される額は「令和6年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載されている扶養親族に基づいて計算されています。

そのため、途中で扶養親族の人数が変わっても、減税額が変わりません。

最終的な調整は、2025年の確定申告で行う必要があります。

仮に、扶養親族の人数が途中で増えた場合は、減税額が加算されます。

反対に、途中で扶養親族が減った場合は、減税額が少なくなります。

以上から、定額減税で確定申告が必要になるケースがあるので、自分がどのケースに当てはまるのか、よく確認しておきましょう。

4. 6月に支払われる年金額は必ず確認しましょう

6月に支払われる年金は、年度始めに改定された金額となります。

また、1人あたり4万円の定額減税が実施される月なので、手取り額がこれまでと違う金額になるでしょう。

公的年金の支給額については、年金振込通知書で確認してください。

年金振込通知書

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

定額減税では、確定申告の必要がないかの確認が必要です。

参考資料

川辺 拓也