2. 【50歳代・二人以上世帯】手取り収入からの貯蓄割合は何パーセント?
ここからは、50歳代・二人以上世帯の手取り収入からの貯蓄割合を確認してみましょう。
同資料より、年間手取り収入からの貯蓄割合(金融資産保有世帯のみ)を確認します。
2.1 年間手取り収入からの貯蓄割合
- 平均:11.0%
- 5%未満:6.5%
- 5〜10%未満:13.5%
- 10〜15%未満:19.2%
- 15〜20%未満:3.5%
- 20〜25%未満:9.4%
- 25〜30%未満:1.4%
- 30〜35%未満:5.1%
- 35%以上:7.7%
- 貯蓄しなかった:33.8%
50歳代・二人以上世帯では、1年間で「貯蓄しなかった」世帯が33.8%と最多です。
貯蓄に回せた世帯では「10〜15%未満」で19.2%。
平均は11.0%でした。50歳代・二人以上世帯では、多くの世帯が手取りから10%前後を貯蓄していることがわかりました。
では、ここからはさらに貯蓄を増やすためにどうすればよいのか、具体的なアドバイスを元銀行員の筆者の視点からお伝えします。
3. どうやって貯蓄する?元銀行員からのアドバイス
「お金を貯めたいけどどうやって貯蓄したらいいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。そこで、貯蓄をする際におさえておきたいポイントを3つ紹介します。
3.1 ①先取り貯蓄をする
先取り貯蓄とは、毎月口座から一定金額を自動で引き落として貯蓄していく方法です。
給与が振り込まれる口座から、毎月決まった日に自動で引き落とされるので、残りの資金で毎月の生活費をやりくりすることになります。
「貯蓄は1ヵ月の生活費で余った分をわける」という方法をとる方もいますが、この方法では毎月一定額が貯まらないほか、つい使いすぎてしまうこともあります。
「今月は貯蓄ができなかった」ということになりかねないため、先取り貯蓄を取り入れることをおすすめします。
3.2 ②家計の見直しをする
家計の見直しは貯蓄を増やすための重要なプロセスです。お金の貯め方がわからない方は、まずは収入と支出のバランスを把握して、節約の余地がありそうな項目を探してみましょう。
食費や娯楽費の節約だけでなく、保険料や通信費などの固定費についても割引や乗り換えを使ってコストを削減できる部分がないかをチェックするようにしてみてください。
家計の見直しは、節約を習慣化することも大切です。衝動買いを避けたり、毎日のコンビニを控えたりするだけでも節約して貯蓄される習慣がついていきますよ。
3.3 ③資産運用でお金を増やす
貯蓄を増やすためには、ただお金を貯めるだけではなく、適切に運用することも重要です。
貯蓄するには定期預金や投資信託などの選択肢がありますが、定期預金については低金利が続いているため、現実的にはほとんど増えないと考えてよいでしょう。
一方、投資信託には元本割れのリスクがありますが、NISAなど制度を活用することで非課税のメリットを享受することができます。また、NISAは最長で20年間の運用ができるほか、オンライン上で口座開設や資産管理ができるのも魅力です。
これらのメリットを活用することで、NISAは個人の資産形成や資産運用の強力なツールとなります。これから貯蓄をしていきたいという方は、検討してみても良いかもしれません。
4. 老後に向けて早めの貯蓄習慣をつくろう
これまで50歳代・二人以上世帯の「貯蓄ゼロ(非保有)の割合」と手取りからの貯蓄割合を確認してきました。
50歳代は収入がピークにさしかかる時期ですが、それと同様に支出も多い時期となります。データからも、周りが貯蓄に苦戦している様子が見て取れました。
「貯蓄したいけど方法がわからない」という方については、今回ご紹介した「先取り貯蓄」「家計の見直し」「資産運用」などを検討して、貯蓄を増やす工夫をしてみてください。
老後が目前に迫りつつありますが、50歳代にはまだまだ貯蓄できるチャンスは残っています。
ご自身に合った方法で老後資金づくりをしていきましょう。
参考資料
中本 智恵