2. キャッシュレス決済の利用率が高い都道府県はどこ?ベスト10を紹介
現金を数えて取り出したり、小銭で重たい財布を持ち運んだりする手間を省けるのが魅力のキャッシュレス決済。
たとえば東京都や大阪府といった交通量の多い地域で普及していそうなイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。
今回は参考までに、NTTドコモが運営するモバイル社会研究所が2021年に発表した統計における「キャッシュレス決済の利用率トップ10」の都道府県を紹介します。
調査概要は以下の通りです。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国15~79歳の男女
- アンケート母数:6240件
- 調査期間:2021年2月
- 調査会社:モバイル社会研究所
- リリース公開日:2021年7月14日
沖縄県が48.6%、栃木県が44.8%、山形県が44.2%と主だった地域性は確認されず、スポット的に高い傾向が見られました。
調査結果からも、キャッシュレス決済を利用している人の割合は全国的にばらつきがあることが伺えます。
海外と比較すると、日本におけるキャッシュレス比率は大きいとは言えません。
しかし、増加率や意識調査の結果をみると利用傾向が高まっている様子が伺えます。
この点を踏まえて、経済産業省の統計データもあわせて確認していきましょう。
3. 【要点】経済産業省「消費者実態調査」のキャッシュレス関連まとめ
経済産業省が行ったキャッシュレス実態調査について確認していきましょう。
そもそも、この調査が行われたのには、別調査で得られた「現状のキャッシュレス比率(32.5%)」の数値が、実態としてキャッシュレスが使われている肌感覚と必ずしも合致しないことが背景としてあります。
キャッシュレスの利用実態が網羅的にまとめられた調査、ポイントをおさえながらチェックしていきましょう。
3.1 キャッシュレス決済「浸透率」:「7~8割程度以上の利用」全体の54%
調査の結果、日常生活において「7~8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人が全体の54%でした。キャッシュレス決済が浸透していることがうかがえます。
お釣りなどでかさばる現金と違い、とにかく支払時や履歴確認時など「利便性」の高いキャッシュレス決済。スマホの高い普及率とも関連性がありそうです。
3.2 キャッシュレス決済と「支払い額」の関連性:1000円以下で使用割合が増加
また、その他の質問において、タッチ決済の利用に意欲的な人ほど「1000円以下」の決済で現金を使用する割合が低下していることがわかりました。
さらに別の質問を分析したところ、フルキャッシュレス層であっても74%は現金を持ち歩いていると判明しています。
ここから「現金がなくても生活できる」と感じている人は少数派であり、コンビニや駅などの少額・高頻度の買い物においてキャッシュレス決済が選択されているといえるでしょう。
旅行だけでなく、日常生活においてもメリットがあるキャッシュレス決済。リスクが比較的小さい少額のショッピングから慣らしていくのもよいかもしれませんね。
4. キャッシュレス決済を上手に利用しよう!
インバウンド消費の促進やスムーズな決済の実現など、キャッシュレス決済にはさまざまなメリットがあります。
ただし、キャッシュレス決済はとても便利な反面、不正利用のリスクや端末の故障により一時的に利用できなくなる可能性もあります。
念のため現金も少し財布に忍ばせておくなど対策したうえで、キャッシュレス決済を上手に活用してみてくださいね。
【参考資料】
- 日本政府観光局「訪日外客数(2024 年 1 月推計値)」
- モバイル社会研究所「感染症対策としての 「キャッシュレス決済の利用」約4割:シニア女性が多く利用・沖縄では半数が利用」
- 経済産業省「消費者実態調査の分析結果 2023年3月」
- pocket change「国と用途によって選べる多数の交換先」
荒井 麻友子