LIMOが2023年04月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年04月06日)

帝国データバンク「4月から1世帯「月2000円」 食費負担増の試算」によると、生鮮食品を除く食品の値上げによる家計支出額の影響は、1世帯あたり前年の22年度月平均から月約2140円増、年間で約 2.6万円増(節約など値上げへの対策をしない場合)と公表されました。

特に年金生活を送る人は収入が限られるため、去年から続く物価高を苦しく思う方は多いでしょう。

今は60歳代で働く方も多いですが、相次ぐ物価高では「仕事を辞めたくても辞められない」という人もいるのではないでしょうか。

老後生活を支えてくれるのは主に「年金と貯蓄」になります。今回はリタイアした「65歳上・無職世帯」の生活をみていきましょう。

1. 65歳以上の平均的な貯蓄額は?「2000万円」は超えるのか

総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、まずは世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄分布をみていきましょう。

世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄分布

世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄分布

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

1.1 65歳以上の世帯の貯蓄現在高(平均・中央値)

  • 平均:2367万円
  • 貯蓄保有世帯の中央値:1588万円

上記を見ると平均は「老後2000万円問題」で話題となった2000万円を超えますが、平均は一部の富裕層に影響されます。

より実態に近い中央値をみると1588万円となっており、2000万円保有していない世帯も多いとわかります。
分布を見ると貯蓄4000万円以上が17.7%な一方で、100万円未満は8.3%でした。