国立大学を卒業後、シンクタンクに就職したC氏は3年で退職しています。その理由についてC氏は、「初めから3年で辞めて、違う業種を経験しようと思っていた」と語ります。のんびりした社風は悪くはなかったという一方、会社にある年功序列の決まりごとや給与が耐え難かったともいいます。

C氏は次に大手メガバンクグループ系の金融機関に転職。ここでの目的は仕事のスキルとノウハウを身につけ、ネットワークを構築することだったといいます。しかし「銀行系のカルチャーには馴染めないと当初から分かっていた」というC氏は、ひと通りの経験とスキルを身につけたあと、再び外資系金融機関への転職を果たしたのだそうです。

初めから自ら期限を決め、そこで何をするか、どんなスキルを身につけるかを考えながらステップアップを図る人もいるという事例のひとつといえそうですね。

自分の力を試したかった

D氏は有名私立大学を卒業後、大手金融機関に就職。「当時から人気があり、今でも金融業界を希望する学生なら一度は入社を夢見るのではないでしょうか」とA氏はいいます。しかし、その憧れの企業に入って3年目の春、D氏は転職に踏み切ったのだそうです。その理由は「もともと憧れていた外資系金融機関の面接を受けて合格したから」。

外資系金融機関は、給与などの待遇もよい反面、成果によってはリストラなどもあり得るというイメージですが、D氏が求めたのは安定よりも挑戦だったようです。その理由についてD氏は「日系金融機関では自分の実力なのかチームの実力なのかわからないような評価体系でした。だから自分の実力が資本市場でどの程度まで通用するのか試したかったんです」と話します。

実際に、すべてが自分の責任のもとにあり、給与に反映されるという外資系のやり方が水に合ったといい、D氏はその後10年この会社にいたのだそうです。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。3年で退職というと、待遇面や人間関係などを理由にあげる人がいる一方で、新しいステージへのチャレンジといった前向きな理由で辞める人も多そうです。最近では「3年もいればもう十分」という人も出てきているようですが、皆さんはどう思われますか。

LIMO編集部