ゆとりある老後を過ごすためには、十分な貯蓄と適切な資金計画が必要となります。
しかし、実際には老後に必要となる生活費の目安や、どれくらいの貯蓄が必要なのかなど、具体的なイメージを持ちにくいものです。
本記事では、最新データを使って「シニア世代の平均的な生活費や貯蓄額」を見ていきます。記事の後半では、今すぐに始められる老後対策を3つ紹介するので、安定した老後を送るための準備を始めていきましょう。
1. 70歳代と80歳代の平均的な生活費
総務省統計局の「家計調査」から、2023年における70歳代と80歳代の消費支出を見てみます。
1.1 二人以上世帯の消費支出
<世帯主の年齢階級別に見た消費支出>
- 70~74歳:27万2657円
- 75~79歳:24万5107円
- 80~84歳:22万4648円
- 85歳~:22万8685円
世帯主の年齢階級別に見ると、70歳代前半から80歳代半ばにかけて消費支出が減少傾向にあることがわかります。
1.2 単身世帯の消費支出
<男性>
- 60歳~:15万円5216円
<女性>
- 60歳~:15万円1414円
単身世帯についてはシニア世代の年代別データはありませんが、60歳以上の平均的な消費支出はおよそ15万円となっています。
2. 老後の生活費はいくら不足する?
総務省統計局が2024年3月に公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯および65歳以上の単身無職世帯の家計収支は、以下のようになっています。
<65歳以上・夫婦のみの無職世帯>
- 実収入:24万4580円
- 消費支出:25万959円
- 非消費支出:3万1538円
- 不足分:3万7916円
<65歳以上・単身無職世帯>
- 実収入:12万6905円
- 消費支出:14万5430円
- 非消費支出:1万2243円
- 不足分:3万768円
どちらの世帯も平均的な不足額は毎月3万円以上となっており、自らの金融資産を切り崩して生活している世帯も多いのが現状です。