3. 国民健康保険制度について2:国民健康保険料が高く納期限までに支払えないときは

国民健康保険料が高く、納期どおりに支払うのが難しい…という場合は、お住いの自治体の「国保年金課 保険料係」等に相談すれば、分割納付などの方法を提案してもらえることもあります。

国民健康保険料を滞納していると、さまざまなペナルティがつきます。

たとえば、

  • 保険料に延滞金が加算される
  • 通常の保険証ではなく、有効期間が短い「短期被保険者証」に切り替えになる
  • 医療機関で医療費をいったん全額自己負担することになる「資格証明書(高校生世代以下の方を除く)」が交付される

などです。

さらには、財産調査をしたうえで、差押の処分(預貯金、不動産、給与等)が行われることもあります。

万が一の病気やケガの際に困るのは被保険者本人です。

国民健康保険料を納期限までに支払えないときは、早めに相談するようにしましょう。

4. 国民健康保険制度について3:国民健康保険料の軽減・減免について

国民健康保険料については、一定の理由があれば負担が軽減されたり減免されたりすることがあります。

主な理由は、以下のとおりです。

それぞれの項目に心あたりがある方は、詳しい内容をお住いの自治体の「国保年金課 保険料係」等に問い合わせましょう。

4.1 非自発的失業者に対する国民健康保険料の軽減

非自発的失業者とは、解雇等による会社都合退職、または病気や介護等の正当な理由による自己都合退職に該当すれば、国民健康保険料の軽減を受けることができます。

4.2 産前産後期間の国民健康保険料の軽減

出産する予定の被保険者又は出産した被保険者の一定期間であれば、国民健康保険料が免除になります。

産前産後期間には、妊娠85日(4か月)以上の分娩(死産、流産、早産)の場合も含みます。

4.3 特例対象被保険者等(非自発的失業者等)に準ずる者に係る国民健康保険料の減免

倒産、解雇、病気などの理由で離職したとき、前述の「非自発的失業者に対する国民健康保険料の軽減」に該当していなくても、保険料の減免を受けられる場合があります。

個別の案内となるため、手続きには自治体の「国保年金課」等に直接行くことになります。

4.4 災害による減免

災害等により生活が著しく困難となった場合、またはこれに準ずると認められる場合、国民健康保険料が減免となります。

5. まとめにかえて

日本の健康保険は「国民皆保険」。

そのため国民は、「健康保険組合」「協会けんぽ」「共済」「国民健康保険」、75歳以上は「後期高齢者医療制度」のどれかに加入することになっています。

もし、国民健康保険への加入が必要なときはすみやかに手続きを行い、保険料の負担が高いときは、担当者に相談するようにしましょう。

参考資料

舟本 美子